こんにちは、
発達障がい支援センターの真鍋良得(まなべりょうえ)です。
今回は、発達障害がある方の行動障害と、サポートする場合の対応方法の要点についてお話します。
Ⅰ 行動障害とは
発達障害の行動障害は、発達障害のある人が日常生活で困難を感じる行動や反応のことを指します。これには、以下のようなものがあります。
1. 落ち着きがない・衝動的な行動
考える前にすぐ行動してしまうことです。たとえば、順番を守れなかったり、突然走り出したりします。
2. 同じ動作を繰り返す(スティミング)
手を振る、何かを回す、音を出すなど、特定の動きを何度も行うことがあります。ストレスを減らすためにしていることが多いです。
3. こだわりが強い
同じことを何度もやりたがったり、いつも決まった手順でないと気が済まなかったりします。予定が変わると強く嫌がることがあります。
4. 感情をコントロールできない
怒りや不安が急に爆発することがあります。これは、何かに強くストレスを感じたときによく起こります。
5. 集中できない
注意を一つのことに向け続けるのが難しく、すぐに気が散ってしまいます。学校や仕事で、最後までやり切るのが難しいことがあります。
6. 他人とのコミュニケーションが難しい
表情や声のトーンを読み取るのが苦手で、人と話すときに誤解を生んでしまうことがあります。
7. 感覚が過敏または鈍感
音や光に過敏で、普通の人には気にならないことでも大きなストレスになることがあります。逆に、痛みを感じにくいこともあります。
これらの行動は、本人がわざとやっているわけではなく、脳の働きが関係しています。周りの理解とサポートによって改善できることがあります。
Ⅱ 行動障害への対応方法
発達障害の行動障害に対する対応方法には、個々のニーズや状況に応じた工夫が必要です。以下は、よく使われるいくつかの対応方法です。
1. 環境調整
環境を整えることで、刺激を減らし集中しやすくすることができます。例えば、静かな場所での学習や作業、整理されたスペースを提供することが重要です。
2. 視覚支援の利用
発達障害の人々は視覚的な情報を理解しやすいことがあるため、図やスケジュール表、イラストを使って、ルールや手順を視覚的に示すことが効果的です。
3. 予測可能なルーチン
日常のルーチンを明確にし、一貫性を保つことで安心感を与えられます。突然の変化が苦手な場合が多いため、スケジュール変更時には事前に知らせることが大切です。
4. ポジティブな強化
望ましい行動をしたときに、褒めたりご褒美を与えたりすることで、ポジティブな行動を強化する方法が有効です。
5. 分かりやすいコミュニケーション
短く、明確で、具体的な指示を心がけましょう。あいまいな表現や長い説明は避け、簡潔で分かりやすい言葉を使うと良いです。
6. 適切なサポートを提供する
本人の特性に応じて、必要に応じたサポートを提供することも重要です。学校や職場でのサポートや、カウンセリング、特別なプログラムを利用することも検討してください。
7. ストレス管理のサポート
発達障害のある人は、ストレスを感じやすいことがあります。リラクゼーション方法やストレス管理のスキルを教えることも大切です。
それぞれの人に適した方法を見つけるために、専門家とも協力しながら、柔軟に対応していくことが重要です。
こんな時はどうすればいいのか、どう考えればいいのかがわからない、という時はぜひカウンセラーに相談してみてください。