こんにちは、発達障がい支援センターの水野幸子です。
発達障害のお子さんの親御さんは、発達障害のお子さんが困ることのないように意識をしながら、お子さんを育てられていると思います。
ここで、声を掛けておかないといけないな。
学校に行くのに忘れ物があってはいけないな。
先生に直接聞いてしまおう。
など、発達障害のお子さんが困らないように、親御さん自身が楽になるからと、先に先に動くことがありますよね。
親御さんが先に先に行動していくと、発達障害のお子さんは親御さんが作ってくれた安全な道を進んでいくことができます。
道は安全な道ばかりなのでしょうか?
原野の中を道を作りながら歩いていくのは、初めてのことがありすぎて大変です。
自分で道を切り開いていくことが好きな人にとっては、楽しくて仕方のないことです。
登山道は、整備されている道もあれば、木の根っこだらけの道、土の道、岩登りをするような道と、色々な道がでてきます。ですが、既に道はあるので、原野を歩くよりは楽です。
砂利道は、歩きづらいですが、平坦であれば歩くことができます。
田んぼの中のアスファルトの道は、歩きやすいです。どこを見ても田んぼなので気持ちがいいです。
都会のアスファルトの道は、歩きやすいですが、信号のある交差点ばかりです。歩道のすぐ横を車が走っています。
発達障害のお子さんは、1人で歩くとしたらどの道を歩くことができますか?
親御さんは、どの道なら1人で安心して歩かせることができますか?
発達障害のお子さんは、成長していきます。
いずれ大人になっていきます。
大人になったときに、自立できるようにしていくことが、親御さんの願いですよね。
(ここでいう自立とは、支援を受けることも入っています)
そのためには、発達障害のお子さんに、出来るだけ色々な道を1人で歩けるようになっていてもらうと安心ですよね。
どの道も1人で歩けるようになるには、経験が必要です。
都会のアスファルトの道は、人が多いからぶつからないように歩くことを学びます。
田んぼの中のアスファルトの道は、季節によってはヘビに出会います。どう対応するか即座に考える力が必要です。
砂利道は、スニーカーでなら歩けますが、サンダルだと歩きにくいです。指をケガするかもしれません。体験していないと分からないことです。
登山道は、体力がいります。登山道ではないところを歩いては行けません。迷子にならないように歩く力も必要です。
原野は、何が起きるか分かりません。自分の判断力、決断力、行動力で道を作ることになります。
砂利道に歩くときに、サンダルで歩くから危険だということを知ることができます。
親御さんがスニーカーを履いていきなさい、と伝えれば、発達障害のお子さんは、サンダルよりもスニーカーの方がいい、という理由を知らないで歩くことになります。
命にかかわる、大けがをするようなことではない限り、発達障害のお子さんの年齢、特性に合わせたやれることを、どんどん体験してください。
親御さんや支援者さんからの話よりも、自分で体験したことの方が理解ができます。
色々な体験をすることは、発達障害のお子さんの刺激になります。
体験しているからこそ、この道が自分にあっていると分かるのです。
発達障害のお子さんが体験しながら、どのように成長していくか楽しみですね。
親御さんは、楽しみと思えることもあれば、ただただ辛いと感じることもありますよね。
辛いなんて思ってはいけないと思わなくていいのです。
今は辛いと感じてしまうと、ご自身の気持ちを受け止めてください。
そして毎日頑張っている親御さん自身に、ご褒美を上げてくださいね。
いつでも、発達障がい支援センターの心理カウンセラーが寄り添うことを覚えておいてくださいね。