こんにちは!発達障がい支援センターの黒瀧素子です。
あなたは、発達障害の子どもがどうして好きなものにこだわるんだろう?と不思議に思うことはありませんか?
あなたは、発達障害の子どもが一度思いこんだらなかなか変わらない!と苦労していることはありませんか?
あなたは、発達障害の子ともがなかなか相手の気持ち考えた行動ができるようにならないなぁ・・とお悩みではありませんか?
なかなか子どもと気持ちが通じない気がする。なんでなんだろう?
好きなのはわかるけど、好きなことばっかりやらせてていいのだろうか?
友だちともっとうまく関われるようになって欲しいけど、どうしたらいいんだろう?
子どもが発達障害かもしれないけど、よくわからなくてお悩みの方も、
今のうちにできることはしておきたいですよね。
今回は、発達障害の中でもASD(自閉症スペクトラム障害)の特性の『想像力の欠如』についてです。
想像することが苦手ってどういうこと?
発達障害があると、相手の気持ちや状況を考えない言動をしてしまうことがあります。
それは、発達障害に想像することが苦手(想像力の欠如)という特性があるからです。
『今これをすると、この先どうなるのか』
といった未来のことを想像することも苦手です。
急な予定の変更や予測のつかない状況にパニックになるのも、
想像することが苦手なために不安になるからなのです。
※この想像することが苦手という特性は、妄想や空想をしないということではありません。
ASDの人が自らつくり上げたファンタジーの世界に没入することも多いです。
ASDがあると「空気が読めない」と言われることがあるのも、
想像することが苦手なために”人の気持ちを想像するのも難しいので、人の気持ちが分かりづらい”ことからきています。
ASDの感情理解
分かりやすい感情と分かりにくい感情がある。
しかも、それが、表情と音声で異なる。
↓
感情自体が分からないということではない
↓
なぜ人の気持ちが分からないのだろう?
ではなく、
なぜ、分かりやすい気持ちと分かりにくい気持
ちがあるのだろう?感情認知の問題の背景の一つ
発達障害における困難性の理解 - 文部科学省
表情・プロソディに関しては
その感情を判別するポイントの情報をうまく使えていない可能性が高い
→
気持ちが分からないのではなく、
気持ちを推測する手がかりを使えていないので
相手の気持ちに合わせた対応ができない
プロソティとは聞きなれない言葉ですね。プロソディとは声の調子や強弱といった話すときに現れる、文字を読むだけでは現れてこない音声学的性質のことを指します。
多くの子(定型発達の子)は、会話をしているときに相手の表情やしぐさ・声の調子などのプロソディから、
「相手は今こんな気持ちなんだな」
と想像することは、教えられなくても自然と身につきます。
でも、発達障害があると想像することが苦手なので、
相手の表情やしぐさ・声の調子などから相手の気持ちを察することができなかったり、
言葉の意味を違う意味で捉えたりして、何か話が通じない、といったことが起こってくるのです。
それを本人はできていると思って気がついていないということもあります。
そもそも、知っている感情の言葉が少なかったり、自分の感情をよくわかっていないということもあります。
なので、暗黙の社会的ルールがわからないといったことにもつながり、『対人関係が苦手』ということへもつながってくるのです。
ゆっくりだけど発達していく!
子どもと気持ちが通じにくい・・・と感じていたけど、
発達障害は脳の特性、つまり生まれつきということは・・・一生このままなの?
と心配してしまう方もいらっしゃるかもしれませんね。
でも、一生このままなのではありませんよ。
発達障害の特性があるということはずっと変わりませんが、その現れ方は、子どもの成長とともに変化していきます。
ただ、育ち方によって社会性が発揮できる・できないが分かれていきます。
子どもの特性を理解し、適切に支援していくことで、子どもは得意なことを生かし、苦手なことは人に頼れるようになっていきます。
まずは、お子さんにどのような特性があるのかを専門家のもとで見極めて(アセスメント)、
お子さんに発達障害の特性があることがわかったら、お子さんの特性を理解して、支援することをはじめましょう。
発達障害があっても、適切な支援が得られれば、お子さんにかかるストレスは減らせます。ストレスが減れば、二次的な問題が起こるリスクも減らせます。そのことが支援の主な目的です。