発達障がい支援センター
真鍋良得(まなべりょうえ)です。
発達障害がある子供の中には好き嫌いが激しく、食べられるものが限られているという、「偏食」になっている子供がいます。
親や学校の先生は、「好き嫌いをなくしましょう」「栄養バランスが大事」と言って、なんでも食べられるようにさせようとすることがあります。
偏食の原因は、体質、味覚や臭覚などの感覚過敏によるものがあり、原因を特定することで偏食をなくしていく方法はあるのですが、その前に、周りの大人が「食べられないものがある」ということをきちんと理解してあげる必要があります。
子供に対して「好き嫌いはダメです」と無理やり食べさそうとしている親自身が好き嫌いが激しいことがあります。
親が自分が好き嫌いが多くて苦労しているので、子供にはなんでも食べられるようになってほしいという意識が働いていることもあります。
ニンジンが嫌いな子供は多いですが、他の子はニンジン嫌いを克服したのにうちの子はまだ食べられないとか、他者との比較をする親がいます。
他者との比較は子供が自信を無くす原因になり、子供を傷つけることにもなります。
親自身、自分が大嫌いなものを無理やり食べろと言われたらどんな気持ちになるでしょうか。
子供でも大人でも、嫌いなものを食べることは苦痛です。
無理に食べさせようとすることで、それまで食べることができていたものまで食べられなくなったという話を多く聞きます。
子供が食べられないといった時は共感的対応をしましょう。
Aさん親子
子「この豆、嫌い。」
親「これは栄養があるんだから、ちゃんと食べなさい」
Bさん親子
子「この豆、嫌い。」
親「そうなんだ、これ嫌いなんだ、食べられないの?」
子「これは無理。」
親「わかった。無理して食べなくてもいいよ。この豆の何が嫌い?見た目?味?舌触り?匂い?なんだろう?」
子「この匂いが嫌。」
Bさんの方が共感的対応になっています。
そうやって、食べられないということを理解してあげて、何が嫌なのかまで聞いてあげることができれば、子供は安心できます。
好き嫌いというのは変化していきます。
今食べられなくても、そのうち食べられるようになることもあれば逆もあります。
好き嫌いをなくすことは大事ですが、食べることの喜びを感じられる楽しい食事の時間を過ごすことも大切にしましょう。