発達障がい支援センター
真鍋良得です。
子供がやってほしくない行動をとるのを見た時には「やめなさい」と言いたくなることがあるという人は多いかもしれませんね。
でも、子供に「やめなさい」というのは逆効果になることがあります。
熱いやかんを触ろうとしているとか、危険が迫っている時以外には「やめなさい」といった強い禁止の言葉は避けたいです。
床に字や絵を書くとか、発泡スチロールを粉々にするとか、親からすればどうしてもやめてほしいことを子供がやめてくれないということがあります。
発達障害がある子供の場合、これをやったらどうなるのかという想像力を働かせることが難しく、親が何度注意しても繰り返すということがあります。
親がイライラして、「いい加減にしなさい」「やめなさいって何度も言ってるでしょ」と怒っても、子供は次の日も、1週間後も、親の支持を無視しているかのように同じことをやっていることがあります。
こんな時、「やめなさい」と何度言っても、子供はやめてくれません。
むしろ、親が注目してくれるのが嬉しくてさらに繰り返すということすらあります。
こんな時、親はどうすればいいのでしょうか。
「やめなさい」という禁止の言葉は子供には伝わりにくいので、「廊下を走るのをやめなさい」よりも「廊下はゆっくり歩いてね」というように、やってほしい行動を伝えることで伝わりやすくなります。
壁に絵や文字を書くのであれば、「画用紙に書こうね」というのもいいですが、自由に書かせてあげる方が子供の能力が伸びる可能性があります。
賃貸アパートだから無理という方もいますが、もし仮に修繕費の出費を覚悟で自由にさせてあげられるなら、それも一つの方法です。
親としては子供を叱りたくなるのですが、「これはやってはいけないことだから叱らなくてはいけない」と考える前に「この子は、なぜこんなことをするのだろう」と考えてみると、頭ごなしに叱る前にひと呼吸おくことができます。
親が問題行動だ、いけないことだと思っていても、子供にはそれをする何らかの理由があるかもしれません。
子供がなぜそうするのかがわからなければ、「なぜそうするなか」ということを子供に質問してみるのもいいでしょう。
質問するときには、いけないことをやめさせるためではなく、純粋になぜそうするのかを知りたいと思って質問しましょう。
答えは「楽しいから」「やってみたかったから」といったひと言で終わるかもしれませんが、その気持ちは否定せずに受け止めてあげましょう。
そして、なぜそれをすると困るのかを、感情的にならずに子供に説明してあげましょう。
日々の生活の中では忙しい中でいろんなことが起きると冷静に対応することは簡単ではないという場合もあるでしょうが、子供の問題行動にイライラするときには「なぜこの子はこうするのだろう」「なぜ自分は子供がこうすることに対してイライラするのだろう」と問いかけることを意識してみましょう。