こんにちは!
発達障がい支援センターの黒瀧素子(くろたきもとこ)です。
子育て中のあなたは、
ついわが子を怒ってしまうことはありませんか?
そして、
わが子のことを怒ってしまったことで、
自分を責めてしまうことはありませんか?
それとも、
親だから子どものことを怒ったり叱ったりするのは当たり前のことだと思いますか?
私は親になったときに、
子どものことあまり怒りたくないなと思っていました。
自分が親に怒られて嫌な思いをしたことが、
頭から離れなかった思いがあったからです。
でも、実際に子ども育てていると、
どうしても怒ってしまうこともありました。
どうして親は子どものことを怒ったり叱ったりするのでしょうか?
どうして親は子どものことを怒ったり叱ったりするのでしょうか?
それは、子どもがやっている行為を、または何もしていないことを、ダメだよ、と伝えるためです。
どうしてもやってはいけないことはきちんと伝えなくてはなりません。
愛着形成のためには、やってはいけないことや責任をとることをきちんと教えることも大切なことです。
ただ、発達障害や発達障害の傾向があると、否定的な言葉には敏感なことがあります。
怒られたこと自体は印象に残るのだけれど、怒って言われた内容はまったく入ってこないということも起こります。
そのために、子ども自身の人格が傷ついて、「自分はダメな子どもなんだ」「親が怒っているのは全部自分が悪いいからなんだ」「母親にきらわれた」などと思い込んでしまうおそれがあります。
やってはいけないこと、こうして欲しいことなどを伝えるには、『怒る』のではなくて『叱る』のが適切です。
怒ると叱るは違うので覚えておいてくださいね。
『怒る』は自分のため、『叱る』は相手のため
『怒る』と『叱る』にはこのような違いがあります。
怒る | 叱る | |
誰のため | 自分(怒っている本人) | 相手 |
いつ・何のために | 相手が自分に悪い影響を与えたり、自分が指示した通りに動いてくれなかったりした場合に、自分が腹を立てたことを相手に理解してほしい時 | 相手が自分を含めて誰かに悪い影響を与えたり、自分が指示した通りに動いてくれなかったりした場合に、相手を良くしようとする注意やアドバイスを、あえて声を荒げたり語気を強めたりして相手に伝えたい時 |
状態 | 感情的 ネガティブ | 冷静・客観的・論理的 ポジティブ |
『怒る』とは「私は腹を立ててます!」と相手にアピールしている状態です。
そして、
「自分の思い通りにしたのに、私の言うことをきかないのはなぜだ!」
と、自分の思い通りにならないから『怒る』ということになるのです。
冷静に客観的に自分のことが見れていない、感情的な状態です。
感情まかせなので言ってはいけない言葉を言ってしまいます。
それに対して、『叱る』ときは、
冷静に客観的に自分のことを見ることができているので、内容を考えながら話をしている状態です。
なので、あえて声を荒げたり語気を強めて言うこともあるけど、
支離滅裂なことを言わないし、相手をさげすんだ言い方はしません。
『叱る』はお願いする、というイメージです。
ただ、どうしても相手に伝わらないときは、
『叱る』から『怒る』に変わるときもあります。
叱っているときに「相手を否定する言葉」がポンと出てしまったときは、
怒っているんだなと思うといいでしょう。
たとえば、怒っているときは、感情的になってしまっているので、
つい、
「おまえは、ダメな子だね!」
などと、子ども自身の人格を否定してしまう言い方になってしまう可能性があります。
感情を子どもにぶつけないように、親は自分の感情は自分で責任を持つようにしていきましょう。
どんな言い方をしても、子どもによって受け取り方はそれぞれです。
めちゃくちゃ怒られて平気な子もいれば、
少し言われただけでとても響いて、一生心に残る傷を負ってしまうこともあるかもしれません。
先ほども書いたように、
発達障害や発達障害の傾向があると、否定的な言葉には敏感なことがあるので、
怒って言われた内容が全く子どもに伝わらなかったり、逆に親に対する怒りや憎しみが芽生えたり、恐怖心がわいてくる場合もあります。
そのために、子ども自身の人格が傷つく恐れがあるので注意してください。
親が感情的に怒ってしまうのは、
親の中に感情のもとになる『観念』があるからなのです。
観念とは主観的なものごとのとらえ方、主観的な価値観のことです。
たとえば、
『約束は守らなくてはいけないもの』なのに、子どもや約束をまもらなかった
『がんばるのが当然』なのに、子どもががんばっていない
『テスト前は勉強するもの』なのに、子どもがテストの勉強をしない
『学校は行くもの』なのに、子どもが学校を休んでいる
『子どもは親の言うことをきくものだ』と思っているけれど、子どもが言うこときかない
『子どもに親のいうことをきかせられないなんて、親としてはずかしい』と思っているのに、できない自分はみじめだ
といったように、『』の中にあるのが親の中にある観念・価値観・判断基準なのですね。
親であるあなたの中にある観念・価値観・判断基準に触れたので、感情的になって怒ってしまうのですね。
子どものことを怒ってしまったときは、
自分自身の『観念』に気づくチャンスです。
親自身、自分自身がどんな観念を持っているのか?
どんな価値基準を持っているのか?
それに気づいたら、
それは、本当に正しいの?
それは、子どものことを幸せにする価値基準なの?
その価値観を持っていたら、自分は幸せなの?
と自分自身に問いかけてくださいね。
親も子も幸せになる観念であれば持っていてもいいのですが、
その観念を持っていることでどうしても子どものことを怒ってしまい、
親も子も幸せになることができないのであれば、
幸せになれる観念・価値観・判断基準を持つようにしていきましょう。
どうしても怒ってしまいそうになったときは、まず深呼吸するなど、自分を落ち着かせる方法を持ちましょう。
あなたが親子で幸せになれるよう応援しています。
本日は黒瀧素子がお送りいたしました。