発達障がい支援センター
真鍋良得です。
人一倍気を使って周りの人を考え、周りの人をサポートし、周りの人にやさしく接している。
それなのに、「空気が読めない」「気を使わない」「協調性がない」、そんな風に言われる。
それなのに、「ダメなやつ」「できないやつ」と言われる。
なぜそのようなことが起こるのでしょうか。
発達障害があるAさんの話です。
Aさんは、毎日朝早く出社して、危機を立ち上げ、書類を整理整頓し、気持ちよく余裕を持ってその日の業務がスタートできるように準備します。
業務中、お客さんが使ったミーティングテーブルが散らかっていたら、片づけて消毒します。
パソコンが得意なAさんは、業務で使う資料やフォームをきれいに整えて他の社員も使いやすいように工夫します。
伝票の入力は同じ部署人たちの平均スピードの3倍の速さで処理できるので、あっという間に終わり、入力が苦手な人の分もやってあげます。
それなのにAさんの会社での評価は低く、給料は低いままです。
理由は、周りの人と会話ができない、電話応対も、定型的な取次は難なくこなしますが、クレームの電話など、込み入った内容だとパニックになってしまい、「ダメなやつ」という評価を受けているからです。
Aさんの仕事ぶりは会社の業績にかなり貢献していますが、同僚や上司はそのことに気づいていません。
自ら人に話しかけることができないAさんは、「おとなしい」「暗い」「協調性がない」。そんなレッテルを貼られて苦労しています。
Aさんは、「自分は役に立たない人だからつらくても今の会社でがんばるしかない」と思っています。
Aさんがその能力を認めてもらえないのは、今いる会社ではその能力が重視されていない、ただそれだけのことなのです。
Aさんのような能力がある人材を求めている会社はたくさんあります。
認めてもらえないのは、たまたま、その場所では認めてもらえないというだけです。
自分を表現するのが苦手な発達障害がある人にとって、こういったことは起こりがちです。
でも、あきらめないでください。
あなたが輝ける場所はたくさんあります。
勇気をもって今いる場所を飛び出せば、あなたが輝ける場所がきっと見つかるでしょう。