こんにちは!
発達障がい支援センターの黒瀧素子(くろたきもとこ)です。
子育て中のあなたは、
我が子が優先順位をつけることが苦手なのでないか、と心配なことはありませんか?
・楽しいことを先にやってしまって、宿題がやりきれない
・やろうとしたことがあっても、目についたものにとびついてしまって、本来やろうとしていたことを忘れてしまう
・あれもこれもやろうとしているようだが、結局期限内に何もできなかった
優先順位がうまくつけられない、大事なことを先延ばししてしまうというのは、大人でもありますよね。
発達障害やグレーゾーン、特にADHDの傾向があると、このような傾向がみられることがあります。大人の発達障害で、社会に出てから仕事の優先順位がつけられずに困っているという方います。
今回は、
・発達障害があるとどうして優先順位がつけることが苦手なのか
・子どもが優先順位をつけて行動できるように、親や支援者はどのような支援をしたらいいのか
ということについてのお話です。
発達障害があると優先順位をつけにくいのはどうして?
そもそも幼い頃には優先順位よりも今を生きています。もともと子どもと大人では優先順位がちがうものです。でも、大人は経験があるので、「子どもが今これをやっていたらこれは間に合わないからこっちを先にやった方がいい」と優先順位の検討をつけることができます。でも、子どもはそのような経験もないので、先延ばししたり、目の前の楽しいことを優先にしてしまいがちです。
優先順位をつけることが苦手なのは、発達障害ばかりが原因とは言えません。でも、発達障害ADHDの衝動性の特性で、目に飛び込んできた魅力的なものに気を取られてしまいやすく、そのことをやりはじめて集中してしまうと、それに心を奪われてしまって、やる予定だったことをすっかり忘れてしまう傾向があることがあります。
子どもが優先順位をつけて行動できるようになるための支援
一度にたくさんのことを言わない・指示しない
優先順位をつけて行動するのが苦手な子どもには、一度にたくさんのことを言わないことが大切です。指示を出す大人は、頭の中でわかっている優先順位が、子どもは経験がないのでわからないということもあるからです。一度に覚えられることは、人によって違いますが、発達障害の中にはワーキングメモリといって、脳の中に一時的に記憶としてとどめておけるスペースが小さい特性があることもあるので、一度にたくさん言われても覚えられなくてパニックになってしまうこともあるのです。その子どもにあった量で、できれば一つずつ目を見て丁寧に指示してあげるといいですね。
子どもに優先順位ということを教える
優先順位という概念がない子どもには、優先順位という考え方があることを知ってもらいます。
・何時までに終わらせる必要があるのか
・必ずやらないといけないことだから
・時間がとてもかかることだから
・やらないと困ることが起きるから
など、具体的な理由を話しながら丁寧に教えるといいでしょう。
時間の見積りやものごとの重要度は目に見えないので、発達障害グレーゾーンがあると理解しにくい部分でもあるのです。
それが理解できたら、やることを紙などに書き出してみて、どれを一番早くやってしまわないといけないかな、2番目はどれかな、と順位をつけて一緒に考えてみましょう。
まとめ
子どもでも大人でも、優先順位をつけて行動すればいいのはわかっているけどできない、ということはありますよね。その行動が
・やりたいことなのか、やりたくないことなのか
・報酬があることなのか、ないことなのか
・時間がかかることなのか、それほど時間がかからないことなのか
・その時の疲れ具合など体調
などの要素によっても変わってきます。
衝動性など発達障害の特性によって優先順位をつけて行動することが難しかったとしても、トレーニングすることでできるようになることもありますし、自分がどうしても苦手なことがあれば、人に助けてもらうということもできます。
できないことで子どもを責めたり自分を責めたりするのではなく、どうしたらできるのかを考えてみましょう。