発達障がい支援センター
真鍋良得です。
発達障害がある子どもの子育てにおいては、子どもが自立できるようにと何かができるようになるためのしつけをすることよりも、できないことがあっても他人の力を借りながら生きて行けるようになるための自信を育てることの方が大切です。
発達障害がある子どもは「育てにくい子」と言われることがよくあります。
周りの子どもたちと同じことが同じようにできるようになってほしい、ちゃんと親の言うことが聞けるようになってほしい、そんな思いで子どもを育てていると、発達障害がある子どもにとってそういったことが簡単ではないので、「育てにくい子」になります。
子どもをコントロールしようとしなければ、育てにくさというのは感じにくくなります。
ちゃんとできるようにと教えてもできないと叱ったり、周りの子と比べて「Aさんはあんなに上手にできてるよ、あなたももっと頑張りなさい」と励ましても、それができるようにならない発達障害がある子どもは、「自分は期待に応えられない」「自分はダメな子」と思うようになり、自信をなくしていきます。
その結果、できないことで苦しんでいても、できないことはダメな子だと思っているし、できない自分はダメな人だと思っているので他人に助けを求めることもできず、社会から取り残されていくことになります。
親が子どもに対し、できないことをできるように教えることも必要ですが、それ以上にできないことがあっても大丈夫なんだと自分に自信を持てるように、子どもの気持に寄り添うことが大切です。
そして、他人に迷惑をかけないように自分で何でもできるようにするばかりではなく、できないことを他人に頼ることを教えることも大事です。
自分に自信を持ち、他人を頼ってもいいんだと堂々と生きて行けるようになれば、今までできなかったことが自分なりの方法でできるようになることもあります。
自立とは、他人を頼らないことではなく、他人の力を借りながら自分らしく生きて行くことなのです。