こんにちは、
発達障がい支援センターの真鍋良得(まなべりょうえ)です。
あなたは親から「早くしなさい」「さっさとしなさい」と言われた、あるいは子どもに言ったという経験はないでしょうか。
この言葉は、時として、子どもが自信をなくす原因にもなりかねず、自ら主体的に行動する妨げとなることもあります。
日頃からゆっくりペースの発達障害がある子どもは特に、親からこういった言葉をかけられたという経験が多い傾向にあります。
家族で車に乗ってお出かけしようというとき、子どもがなかなか着替えが終わらず、親が待ちきれなくて「早くしなさい、3分以内に車に乗らないと置いていくよ」といった光景を見たことがあります。
親としては、「もう少し周りのペースに合わせようとしてほしい」「もう少してきぱきと動いてほしい」と思っているから、こんな対応になります。
子どもが憎いわけではなく、社会に出てから困らないように、周りから取り残されないように、という親心なのですが、子どもの立場からすると、親から見捨てられるという不安が募っていきます。
さらに、早くしようとすればするほど、思考が麻痺してきて体が硬くなり、余計にゆっくりになってしまいます。
子どもは親のイライラした顔を見ながら、「こんな自分はダメなんだ」「親の機嫌を損ねる自分はダメな子」と思うようになり、自分に自信を持てなくなります。
こんな時、子どもを親のペースに合わさせようとするのではなく、親が子どものペースに合わせてあげると、子どもは不安なく動けるので、そのうち手際よく行動できるようにもなります。
待たせてもいい、自分のペースでいいという安心感を持てることで、余裕を持って周りの状況を見ることができるので、他人のペースにも合わせやすくなります。
子どもが思うように動いてくれなくても、親があたたかい目で見守りながら待ってあげられる心の余裕を持つことが、子どもの成長、自立のためのサポートとなります。