こんにちは、
発達障がい支援センターの真鍋良得(まなべりょうえ)です。
人には、自分が得意なものもあれば苦手なものもあります。
そして、なかには、得なものを苦手なものの差が大きい人がいます。
発達障害がある人は、平均値以上に苦手なものが多いので、苦手なこと、できないことが目立つため、そのことが生きづらさの原因となります。
日本の学校教育では、どの科目も平均的にできるように教えようとします。
平均点が60点なら、40点から80点の範囲なら許されるけれど、40点より下はダメだと言われます。
そして、たとえ100点の科目があっても、10点の科目が1科目あると、その10点の科目を40点以上にするための努力を求められます。
その結果、ある分野では優れた才能を持ちながらも、できないことをできるようにするための努力を求められ、得意を生かすことができないまま、「自分はダメな子なんだ」と思い込んでしまい、生きづらさを感じて苦しみます。
できないこと、苦手なことをできるようになるための努力ばかりしてもできるようにはなりません。
自転車に乗る練習をするとき、自転車に乗れないから乗れるように努力しているのではなく、ただ純粋に自転車に乗れるようになりたいと思ってがんばるのではないでしょうか。
自転車に乗れるようになりたいと思うのは、自転車に乗って何かをしたいという目的があるからです。
やりたいことをやるため、得意なことを伸ばすための努力の中で、できないことを克服しようという意欲と工夫が生まれてくるのです。
人と比べて劣っているから何とかしようというのではなく、自分の力を発揮するためにはどうすればいいのかという視点に立つことで、生きづらさを解消することができるようになります。