こんにちは!
発達障がい支援センターの黒瀧素子(くろたきもとこ)です。
子育て中のあなたは、
発達障害の特性がある、もしくは発達障害の傾向があるお子さんが、
こだわりが強いことに困っていませんか?
・いったん思い込んだらなかなか意見を変えられない
・こだわりが強く、そのこだわりで日常生活に支障が出ることがある
・他者の気持ちに気づくことが苦手
・癇癪を起こすと長い時間泣き続ける
などということで、お子さんもしくは親御さんなど周囲の人たちが困るということはありませんか?
最近は神経発達症という呼び名に変わってきていますが、
発達障害・ASD(自閉症スペクトラム)の特性が見られるお子さんは、
客観的に物事を見たりとらえたりすることが苦手という特性を持っていることが多くあります。
客観的に物事を見ること・とらえることが苦手ということは、
相手の立場に立って考えることが苦手ということです。
脳の特性で、欲求が強いことやこだわりを持っていることだと特に自分の気持ちだけにフォーカスされてしまいやすく、
主観的なものごとの見方・とらえ方にこだわってしまうのです。
ですから、
できるだけ小さい頃から、
客観的なものごとの見方・とらえ方ができるように働きかけていくことが大切になります。
客観的なものごとの見方・とらえ方ができるようになるためには、
まず、
相手の視点があることに気づくこと
そして、
相手の視点に立って考える力をつけていくこと
が大切なのです。
そのためには、自分だけではなく親・兄弟・学校の先生・友だち・マスメディアなど、様々な人々がそれぞれちがうものごとの見方・とらえ方をしているということを理解できるような声がけをしていくことが大切になってきます。
子どもは成長するに自我が形成されていきます。
自我が身につく前より、自我が身についたあとの方が、客観的なものごとの見方・とらえ方を教えていくことは難しくなっていきますが、できないことはありません。
お子さんの人生が幸せなものになっていくために、主観的つまり自分の視点からだけではなく、客観的つまり相手など他者からの視点に立って考えることができるような声がけをしていきましょう。
声がけと言っても難しいことはありません。
たとえば、親子の会話として、子どもの好きな食べ物はカレーライス、母親の好きな食べ物はスパゲティだったとします。こんなときに、子どもに
「Aちゃんはカレーライスが好きなんだね。ママはスパゲティが好きなんだけど、どっちが正しいの?」
と聞いてみましょう。
あなたはどちらが正しいと思いますか?
もちろん、どちらが正しいということではなく、「どちらもOK」ですよね。
「お互いにちがうけどどっちもいいよね」
「単に好みがちがうだけだから、どちらか一方が正しいというわけではなくて、どちらもOKだよね」
と、ちがいはあるけど、相手の立場に立ったら自分とちがう答えがあるということを、何度も何度も例をあげて様々な角度から伝えていくことによって、子どもも自分の主観的なとらえ方だけではなく、他者は自分とはちがうとらえ方をするものだということ、そして、自分も相手もどちらもいいよね、というとらえ方ができるようになっていくのです。
人はそれぞれ、ものごとのとらえ方がちがうことがあるということ。これは、考えてみれば当たり前のことでもありますよね。
十人十色という言葉もあるように、考え方は人それぞれちがうことが多くあります。
でも、誰でも大なり小なりあるのですが、つい他者も皆自分と同じ考え方をしていると思ってしまっていたり、自分が正しくてまわりの人は皆まちがっている、というとらえ方をしてしまうことがあります。
発達障害の脳機能の特性によって、発達障害の方は主観的なものごとの見方・とらえ方にとらわれやすい傾向にあります。
・自分のものごとの見方・とらえ方は他の人とはちがうことがあること、
・「自分はOK、他者はがまちがっている」、「自分はまちがっていて、他者はOK」ではなく「自分も他者もどちらもOK」というとらえ方ができること
このようなものごとの見方・とらえ方ができるようになることが、幸せな人生を切りひらいていくためにとても大切になりますよ。
お子さんのこだわりが強くてどうしたらよいか困っているという親御さんは、
発達障害専門のカウンセラーなど専門家に相談する方法があるということも視野に入れてみてくださいね。
あなたの幸せな子育てを応援しています。