こんにちは、
発達障がい支援センターの真鍋良得(まなべりょうえ)です。
発達障害がある子どもは、しなければならないことがいくつもあると、どれからやっていいかわからずに動けなくなることがあります。
小学生のAさんは、学校から帰ってきておやつを食べた後、宿題をはじめました。
その時、Aさんのお母さんが、空になったおやつのお皿がテーブルに残っているのを見て、「お皿をキッチンに持って行ってね」と伝えました。
さらに「今日使った体操服を洗濯機に入れといてね」と伝えました。
Aさんは、やることが3つになり、どれをやっていいかわからず、宿題をやっていた手が止まり、固まってしまいました。
そして、たまたま横にあったゲーム機が目に入り、ゲームを始めてしまい、宿題も、お皿も、体操服もほったらかしになりました。
それをみたお母さんは、「どうして何もできてないのにゲームなんかやってるの!」と怒り出しました。
Aさんの頭の中では、どれをやっていいかわからずにパニックになり、でも何かやらなきゃということだけに必死で、たまたま目に入ったゲーム機を手にとったのです。
同時に複数のことをやるのが苦手な子どもは、こんな風に、いくつものことを同時に指示されると混乱してどれもできなくなる、ということがあります。
サボってゲームをしているのではなく、混乱して関係ないことを始めてしまっただけなのです。
こんな時は、宿題が終わってから他のことを伝えるか、今日は他のことを言うのをあきらめて宿題だけに集中させてあげるといった配慮が必要です。
いろんなことができるようになるより、一つのことだけでいいから確実にできるようになることが、子どもの自信をはぐくみ、結局はできることが増えていくのです。
こんな時はどうすればいいのか、どう考えればいいのかがわからない、という時はぜひカウンセラーに相談してみてください。