こんにちは、
発達障がい支援センターの真鍋良得(まなべりょうえ)です。
今回は、発達障害がある子どもに対する「療育」とはどのようなものかについてお話しします。
発達障害のある子どもに対する療育とは、その子の成長をサポートし、生活の中で必要なスキルを少しずつ身につけるための特別な教育や支援です。療育は、子どもの個性や特性に合わせて、無理なくできることを増やしていくお手伝いをするものです。
療育の目的
療育の一番の目的は、子どもが少しずつ社会や日常生活に適応していけるよう、サポートすることです。具体的には、以下のことを目指します。
コミュニケーション力の向上
他の人と話したり関わったりするのが難しい子どもには、どうすれば気持ちを伝えられるのか、どうやって友達と遊ぶのかを一緒に練習していきます。
感情のコントロール
感情が強く出やすい子どもには、自分の気持ちをうまく整理したり、怒りや不安を落ち着かせる方法を少しずつ学んでいきます。
日常生活のスキル
洋服の着替えや食事、お片付けなど、日常生活に必要なことを子どものペースで教え、できることを増やしていきます。
学び方をサポート
学校の授業や宿題が難しい子どもには、その子に合った方法で勉強をサポートし、学ぶ楽しさを感じてもらうことが目標です。
困った行動への対応
時には衝動的な行動や困った行動をとることもありますが、その背景にどんな理由があるのかを考え、どうしたら落ち着いて行動できるかをサポートします。
療育の方法
療育には、さまざまな方法があります。それぞれの子どもに合わせて、楽しみながら学べるよう工夫されています。
1. ABA療法(応用行動分析)
ABA療法では、子どもが望ましい行動を学ぶために、小さな成功体験を積み重ねていきます。良いことができたときに褒めたり、ご褒美をあげることで、その行動を繰り返すよう促します。
2. TEACCHプログラム
TEACCHプログラムは、視覚的なサポートを使って子どもの生活を分かりやすく整理する方法です。スケジュールを絵や写真で見せることで、次に何をするのかが分かりやすくなり、安心感が生まれます。
3. SST(ソーシャルスキルトレーニング)
SSTは、友達との関わり方や、困ったときにどう助けを求めるかといった社会的なスキルを練習するものです。実際の場面を想定しながら、楽しく学べるように工夫されています。
4. 音楽療法やアート療法
音楽や絵を使って、言葉では表現しにくい感情を自然に表す方法です。音楽や絵を通じて、子どもたちが自分の感情を表現し、リラックスできる場を提供します。
5. 感覚統合療法
感覚統合療法は、特定の感覚に敏感な子どもが、外の刺激にうまく対応できるようにサポートします。遊びを取り入れた活動を通じて、感覚を整え、安心して過ごせる環境を作ります。
療育の効果
療育は、子どもが自分らしく成長し、自信を持って生活できるようになるための大切なステップです。早期からの支援が、子どもの能力を引き出し、社会生活に役立つスキルを身につける大きな助けとなります。
親のサポート
療育には、親の協力もとても重要です。家庭での日常生活でも、療育で学んだことを実践することで、子どもが安心して成長できる環境を作れます。
まとめ
発達障害のある子どもに対する療育は、その子が社会で自立し、楽しく生活できるようにサポートするためのものです。子ども一人ひとりに合った方法を取り入れながら、無理なく少しずつ成長を促していくのが特徴です。
療育を受けに行くことによって、子育てを助けてもらえたり相談できる場所ができることは親子の安心感につながります。
発達障害を克服するために義務的に療育を受けるのではなく、得意なことを伸ばしたり、人との交流を楽しむような気持ちで利用すると、無理なく継続することができます。