こんにちは、
発達障がい支援センターの真鍋良得(まなべりょうえ)です。
「子どもの頃からちょっと変わっていると言われていた」
「何をしても周りと同じようにできない」
そんなふうに感じたことはありませんか?
もしかすると、それは大人の発達障害のサインかもしれません。
発達障害は子どもだけのものではなく、多くの大人が抱えていることが分かっています。
この記事では、大人の発達障害の主な兆候と、自分自身で確認できる簡単なチェックリストをご紹介します。
大人の発達障害とは?
発達障害とは、脳の特性によって情報の受け取り方や処理の仕方が他の人と異なる状態を指します。主な発達障害には以下の3つがあります。
ADHD(注意欠陥・多動性障害):
集中力の持続が難しかったり、衝動的な行動を取ってしまう特性があります。
ASD(自閉スペクトラム症):
社会的なコミュニケーションが苦手で、特定の興味や習慣に固執することが多いです。
学習障害(LD):
読む・書く・計算するなど、特定の学習分野で困難を感じる特性があります。
これらの特性は、個人によって現れ方や強さが異なります。そのため、自分が「少し普通と違うかも?」と感じても、必ずしも発達障害だったり、診断が必要ということではありませんが、気になる場合は専門家に相談することをおすすめします。
大人の発達障害の主な兆候
以下は、発達障害があるかもしれない大人が感じることが多い特徴です。
当てはまるものが多ければ、自己チェックリストでさらに詳しく確認してみましょう。
1 集中力の持続が難しい
仕事中に気が散りやすく、物事を中断してしまうことが頻繁にある。
長い会議や説明を聞くのが苦痛に感じる。
2 衝動的な行動や発言をしてしまう
感情的になりやすく、後で後悔するような発言をしてしまうことがある。
計画せずに行動することが多く、結果的に後悔することが多い。
3 物事の順序を整理するのが苦手
予定やタスクの優先順位をつけるのが難しい。
デスクや部屋が散らかりやすい。
4 社会的な状況での不安や緊張
他人と会話をする際、目を合わせるのが苦手。
会話中に適切なタイミングで話せない、話が脱線しやすい。
5 新しい環境や変化に適応するのが難しい
予定の変更や急な依頼に対応するのが苦手。
いつもと違う道順や手順を使うと混乱してしまうことがある。
6 特定の興味や趣味に深く没頭する
興味があることには集中できるが、それ以外は全く関心を持てない。
同じことを繰り返し行うことに安心感を感じる。
簡単チェックリスト:もしかして私も?
以下の質問に「はい」または「いいえ」で答えてみてください。当てはまる項目が多ければ、発達障害の人が持つ特性があるかもしれません。
ただし、これは発達障害があるかどうかの判断をするものではなく、あくまでその可能性を探るヒントとして、自分の特性をチェックしてみるためのものです。
1 仕事や日常生活で、忘れ物や物を失くすことが頻繁にありますか?
2 人と話しているときに、話題が飛んでしまったり脱線してしまうことがありますか?
3 予定やタスクの管理が苦手で、やるべきことを後回しにすることが多いですか?
4 同じことを繰り返し考えたり、特定の話題に固執することがありますか?
5 グループでの会話や大勢の人がいる場面で、緊張することが多いですか?
6 突発的な変化や予定の変更に強いストレスを感じますか?
7 他の人と同じペースで作業を進めるのが難しいと感じますか?
8 他人とのコミュニケーションで、誤解されることが多いと感じますか?
9 感情のコントロールが難しく、ちょっとしたことでイライラしてしまうことがありますか?
10 特定の興味や趣味に対して、他の人には理解されないほど熱中することがありますか?
「発達障害かも?」と思う時にはどう対処するといいのか?
もし多くの項目が当てはまると感じた場合、まずは焦らずに自分の特性を理解することが重要です。
当てはまる項目があるからと言って、必ずしも発達障害とは限りません。
また、発達障害があったとしても、それが原因で「できないこと」が多いとも言い切れません。
発達障害の傾向があったとしても、自分の特性を理解し、適切な対処法を学ぶことで、日常生活や仕事での困難を軽減することが可能です。
発達障害に関する情報やサポートを提供する専門の医療機関や相談窓口もありますので、不安な場合はまず相談してみるのも良いでしょう。
おわりに
発達障害があったとしても、「発達障害がある」ということだけで何か問題が起きるのではありません。
周りの環境やサポート、自分自身の物事の捉え方や考え方によって、何らかの困難さが生じる場合もあれば、特に問題なくやっていける場合もあります。
自分の特性を知り、それに合った対処法を見つけることで、より生きやすい日常を送ることができます。
まずは自分のことを知ることが大切です。