こんにちは。発達障がい支援センターの水野幸子です。
発達障害のお子さんがいると、親御さんは守ってあげようという気持ちがとても大きくなりますよね。
発達障害であろうとなかろうと、親御さんはお子さんのことが心配です。
守ってあげたい、守らないといけないと思っていますよね。
そして、歳相応のことをできるようにしていかなければならないと 無意識に思っていますよね。
発達障害のお子さんの場合、守ってあげなければいけないという気持ちがとても強くなります。
・うちの子は発達障害だから、周りの子とは違うの
・うちの子は発達障害だから、周りの子のように出来ないの
・うちの子は発達障害だから、できることが少ないの
・うちの子は発達障害だから、周りから笑われてしまう
・うちの子は発達障害だから、いじめられやすいの
・うちの子は発達障害だから、親が守らなければいけないの
という気持ちがありますよね。ありましたよね。
親御さんは発達障害のお子さんの様子を見ながら、色々なことを考えて親御さんなりの判断をされてきています。
発達障害のお子さん自身にどこまで任せてよいのかどうなのか。
日々の様子を見ながら考えますよね。
まだ親御さんが手を出さなくてはいけないこと、手を離していいことを、判断をして育てていますよね。
そんな時に、発達障害のお子さんが、親御さんが予想もしていなかったことを、やりたいと言い出しました。
発達障害のお子さんの親御さんならどうしますか?
発達障害のお子さんには色々な特性があります。
お子さんの特性を考えながらお子さんにOKだしていいのか、いけないのかを考えてみましょう。
例えば、小学生のお子さんが学級委員になる。学級委員に立候補するよ。と嬉しそうに言ってきた場合、 親御さんはどのように言うのでしょうか。
立候補するんだね
立候補しておいで
立候補しなくていいよ
そんな無茶なことできないよ
と、親御さんの想いは色々ですよね。
立候補してもいいよと言った親御さんの中には、もしかしたら立候補したいならしてこればいい。
学級委員に選ばれることはないのだからと思っている親御さんもいるでしょう。
立候補したいという気持ちを尊重した上で、
学級委員になったらダメだよ。やれるわけないよ。という思いもありながらも、
いや、さすがに選ばれないでしょう。
学級委員には、誰も家の子を選ばないだろうという気持ちもあったり、 複雑な気持ちが交差しますよね。混ざり合っていますよね。
発達障害のお子さんは、先生やお友達から
些細なことで笑われたり、注意されたり、怒られたりということが多いです。
そして、よくよく考えれば、親御さんもそんなつもりはなくても、 それはやっちゃダメ。これはやっちゃダメ。どうしてそれができないの。と言っている可能性がありますよね。
親御さん自身が発した言葉で、親御さん自身が落ち込んでしまう。
親御さんは笑われているお子さんを見ると、 辛い思いをしているお子さんを見ると
守らないといけない。この子は自分が守らないと。という気持ちも大きくなっていきますよね。
それが故に、発達障害のお子さんがやりたいと言い出したことに、ストップかけていませんか?
やりたいと言ったことに対して、やっちゃダメ。それはまだ早いと言っていませんか?
発達障害のあるかないかに関わらず、お子さんが自分からやりたいと言ってきた時は、お子さんが 伸びる時期でもあります。
子育て中には年相応ということが頭の中を何度もよぎりますよね。
今の年齢では、これはやれなくちゃいけないよね。と無理にやれるように 練習させてきたことはありませんか?
食べ方だったり、歩き方だったり、運動だったり、箸の持ち方だったり、どんなことだっていいんです。
親にとっては当たり前の些細なことでも、発達障害のお子さんにとってはとても苦痛なことがあります。
無理、嫌だと言っていることを 無理にさせているのと、親御さんから見てそれは無理だと思うことを、発達障害のお子さんがやりたいと思っているのをやらせること、 どちらがお子さんのためになっているのでしょうか?
どちらがお子さんの心を強くしていくのでしょうか?
どちらがお子さんにとって嬉しいことなのでしょうか?
親御さんのそれはやっちゃダメということが全ていけないとは言いません。
命に関わることを発達障害のお子さんがやろうとしていれば、それはもちろん止めることです。止めないといけません。
ですが、発達障害のお子さんが成長していく上で、親御さんの元を離れて自立していく上で、色々な経験をしていくことはとても大切です。
ある守られた空間の中でやれるのであれば やっていくことも大切です。
小さなうちから 自分の好きなことがやれるという喜びを与えてあげましょう。
万が一うまくいかなかったとしても、それは勉強になります。
その時に 親御さんがしっかりと抱きしめて、受け止めて、安心をさせてあげればいいのです。
どうしてうまくいかなかったのか、お子さんと一緒に話をしましょう。何が足りなかったのか。
こんなにいいところもあったよね。
これができるとはすごいよね。
というように、 できたこともしっかり褒めていきましょう。
それがお子さんの自信につながります。
次から ここを気をつければいいんだという学びにもなります。
発達障害のお子さんの中には、失敗したことを次の機会には忘れてしまっているということもありますが、それは親御さんがまた、この時はこういうふうで、 こういうことがあったから、今回はここを気を付けた方がいいよね。ここを工夫した方がいいよねと 思い出させてあげましょう。
子育ては、 お子さんがいずれ自立していけれるようにしていくことが、1番の目標ですよね。
どんなに長生きして、どんなに健康でいて、親御さんがお子さんを守ってあげたいと思っても、自然の摂理でいけば、親の方が先にこの世のからいなくなっていく確率が高いですよね。
ですので、 なんでもかんでもダメだよというのではなく、やりたいと思えることはやらせてあげましょう。
なんでもかんでもいい。ダメだよという時は、こういう理由でこう 思ってるんだよということをしっかりお子さんに説明していきましょう。
発達障害のお子さんは、どうしても いきなり全否定されて、なんでダメなのかがわからないままいることが多いです。
そうすると、人格も否定されたと思い、自分のことをダメだと思い込み、自己否定ばかりする子、自己肯定感の低い子となっていきます。
同じ人生を歩む中で、自己肯定感が低い子と自己肯定感の高い子では、自己肯定感の高い子の方が精神的に安定をしています。
ですので、発達障害のお子さんと 一番接している親御さんは、全否定しないようにお子さんに理由を話してあげましょう。
お母さんはこう思う、お父さんはこう思っているんだよ。それでもやりたいの?
ここはどういうふうにやっていこうと思っているの?など、発達障害のお子さんの意見も聞いていきましょう。
そうすることで、ただダメ、やっちゃダメと言われるよりも、 お子さんも、まだここがダメだからできないんだなっていうことがわかります。
ここがまだ弱いんだなというところがわかれば、じゃあ、ここをもう少しやれるようにすれば、自分のやりたいことはやれるんだというように前向きになっていくことができます。
親御さんのやりたいと思っていること、頭ごなしにダメと言われたら、すごく嫌な気分になりますよね。
発達障害のお子さんも同じなのです。
やりたいこと、やりたいと思っていること、それに対する親御さんの気持ちは違います。
お子さんの気持ち譲り合い譲れるところは譲って、譲れないことは説明をして、分かり合いながら やりたいことにチャレンジしていきましょう。
発達障害のお子さんがやりたいと思っていることにチャレンジしていきましょう。
発達障害のお子さんを支えている親御さんは、ご自分の時間を取っていますか?
発達障害のお子さんにつきっきりになっていませんか?
親御さんの心も体も健康でなければいけません。
支援がなければ、発達障害のお子さんが一番困ります。
ご自身のここともご自愛くださいね。
そして、どうしたらいいのかわからない、どこに相談していいのかわからない。
そう思っている親御さんは、いつでも発達障害支援センターの心理カウンセラーがあなたに寄り添うということを 覚えておいてくださいね。
それでは、発達障害のお子さんが何をやりたいって言ってくるのか 楽しみにしながら1日を過ごしましょう。