こんにちは、
発達障がい支援センターの真鍋良得です。
発達障害というと、子どもに関する話題として取り上げられることが多いですが、実は大人になってから発達障害に気づく人も少なくありません。
社会生活や仕事、人間関係に困難を感じながらも、その原因が発達障害に起因していることに気づかず、「自分の性格の問題」と考えてしまうケースが多いのです。
この記事では、大人の発達障害における「見逃されがちなサイン」と、その気づき方についてお伝えします。
1. 発達障害とは?
発達障害は、生まれつき脳機能の発達に偏りがある状態を指します。主に以下の3つのタイプに分類されます:
- 自閉スペクトラム症(ASD)
- 社会的なコミュニケーションや行動の特性に困難を伴う。
- 特定のことに強い興味を持つ。
- 注意欠如・多動症(ADHD)
- 不注意、衝動性、多動性が特徴。
- 物事に集中するのが難しい、忘れ物が多い。
- 学習障害(LD)
- 読む、書く、計算するなどのスキルに部分的な困難がある。
これらの障害が単独で現れる場合もあれば、複数が組み合わさるケースもあります。
2. 大人の発達障害:見逃されがちなサイン
子どもの頃に診断されなかった場合、大人になってから自覚することがよくあります。
以下のようなサインに心当たりはありませんか?
仕事での困難
- タスクを順序立てて進めるのが苦手。
- 締め切りが守れない。
- メモをとっても内容を見返すのを忘れる。
- 突発的な出来事に対応できず、パニックになる。
人間関係の悩み
- 会話のタイミングが合わず、「空気が読めない」と思われる。
- 特定の音や匂い、人混みが苦手で、社交を避けてしまう。
- 感情のコントロールが難しく、怒りっぽいと言われる。
日常生活での困難
- 部屋が片付けられない、整理整頓が苦手。
- お金の管理ができず、浪費してしまう。
- 約束の時間や場所を頻繁に間違える。
これらの問題は、発達障害特有の特性によるもので、本人の性格の欠点ではありません。
3. なぜ大人になるまで気づかないのか?
発達障害が大人になるまで気づかれにくい背景には、以下の要因があります。
- 子どもの頃の診断基準が異なる
昔は発達障害が知られていない時代もあり、単なる「性格」とみなされることが多かった。 - 環境で補えていた
学生時代は家族や学校のルールの中でサポートされていたため、特性が目立たなかった。 - 大人の責任感でカバーしている
無理をして頑張ることで、表面的に問題を隠してきた。
4. 気づいたときの対処法
もしこれらのサインに当てはまると感じたら、次のステップを考えましょう。
1. 専門家に相談する
発達障害の診断は、精神科や心療内科で受けることができます。診断を受けることで、自分の特性を正確に理解できます。
2. 自己理解を深める
発達障害に関する本やウェブサイトで情報を集め、自分の特性を知ることは大切です。
3. 環境を整える
- メモやリマインダー機能を活用して忘れ物を防ぐ。
- 自分に合った働き方(リモートワークやフリーランス)を模索する。
- 過度な刺激を避ける工夫をする。
4. サポートを受ける
- 発達障害の当事者が集まるコミュニティや支援団体に参加する。
- 職場での合理的配慮を相談する。
5. 発達障害の「強み」を活かす
発達障害のある人は、困難を抱える一方で、以下のような「強み」も持っています。
- 一つの分野に対する深い集中力(ASDの特性)
- 新しいアイデアを生む創造性(ADHDの特性)
- 正確さや細かい作業への適応力(特定分野の得意さ)
これらの強みを活かすことで、自分に合った仕事やライフスタイルを築くことができます。
まとめ
大人の発達障害は、見逃されがちなサインに気づくことで、問題の根本を理解し、適切な対処が可能になります。
大切なのは、「自分を責めない」こと。発達障害はあなたの一部であり、工夫次第で快適な生活を送ることができます。
不安や悩みを一人で抱え込まず、専門家や支援を活用しながら、自分に合った道を見つけていきましょう。
あなたは一人ではありません。気づきが新しい一歩に繋がります。