発達障がい支援センターの宮田武志です。
3月の半ばになりました。
卒業した人たちが続々とその余韻を味わってるのではないでしょうか。
卒業式だけではなく、「式」というイベントに参加するのは発達障害の人たちにとって大変なことだなぁとつくづく思います。
一定の時間、一定の場所に、一定の態度(しかも暗黙の了解に裏打ちされたもの)を維持しなければなりません。
もちろん、その一定性が得意な発達障害の人もいますが、そうじゃない人もいます。
そうじゃない人にとっては「式」というイベントは大きな負担です。
ではどうすればその負担感は軽減できるのでしょうか。
よく見受けられるのが、集団から少し離れた場所(例えば式場の後方の壁際など)に付き添い人と一緒に参加することや全体での式が終わった後に個別の式を開催することなどです。
このような配慮をすることで負担感を軽減し、「式」への参加が可能となる人がいます。
つまり、「式」に存在する一定性を部分的に取り除くことです。言い換えると、一部分に多様性を取り入れることとも言えます。
発達障害を持つ人の特性は様々です。
そもそも人にはそれぞれ個性があります。
多様性があって当たり前です。
それを管理者・運営者サイドの都合や効率性・生産性の重視のために多様性が抑圧されてしまうのです。
事実として、一定性や集団性がもたらす成果や美には素晴らしいものが多々あります。
しかし、そのいずれも元をたどれば、多様な様式が時や場面を経過してやがて一定のものに、個人的な取り組みが集団のものになっていったにすぎません。
そして令和の時代になり、改めて個性や多様性が注目され始めています。
特性を持つ発達障害の人たちが活躍できる雰囲気が高まり始めています。
これからの卒業式には何かしらの変化が見られるかもしれません。
その変化のきっかけをつくるのは発達障害を持つ人であり、その変化を当たり前にしていくのは発達障害を待つ人の周囲の人たちであるかもしれません。
一定性と多様性
個性と集団性
これらが程よく調和していく社会は私たちが思うより早く訪れるかもしれませんね。