発達障がい支援センター
真鍋良得(まなべりょうえ)です。
日本には本音と建前を使い分ける文化があります。
しかし、発達障害がある人にとって、本音と建前がわかりにくいことがあります。
何かをお願いしたときに相手が「考えておきます」「行けたら行きます」と言ったとき、それは断っているということなのですが、言葉通りにとらえると、「考えてくれる」「来てくれるかもしれない」と期待します。
発達障害がある人は、こんな風に本音と建前が理解できず、言葉通りに受け取ることがあります。
髪を切ってきた相手が「この髪型どう?」と言ってきたときに「前の髪型のほうが似合ってた」と答えると、相手はがっかりします。
こんな時は、「いいね、似合ってるよ」と答えれば円滑なコミュニケーションが図れるのですが、本音で思ったことをそのまま口に出してしまうと、相手をがっかりさせます。
そして、この「本音」というのが、自分の主観に基づいた思い込みで、自分以外の人は似あっていると感じているかもしれないのです。
本音と建前を気にせずに相手の言葉を真に受けたり自分の思ったことをそのまま口に出すことで、相手を傷つけたり自分が傷ついたりすることもあります。
発達障害がある人にとって、どれが本音でどれが建前なのか理解するのがむずかしくて混乱するということがあるかもしれませんが、いろんなパターンを学んでいくことで、感覚的には理解できなくても、頭で理解できるようにな
っていきます。
自分の思ったことを口に出す時に「これは自分がそう思っているのであって、他の人はそう思っていないかもしれない。」ということを知っていれば、自分の気持ちを相手に押し付けるようなことが少なくなります。
自分が傷つかないために、大切な人を傷つけないために、コミュニケーションの方法を学んでいくことが大事です。