こんにちは。発達障がい支援センターの水野幸子です。
今日は4月23日。サン・ジョルディの日です。スペイン・カタルーニャ地方では、本とバラを贈る日です。
20代の頃、4月23日が誕生日の友達が、サン・ジョルディの日を流行らせるんだ~!と言っていたのを思い出しました。
日本では「子供の読書の日」と、2001年12月に公布された子どもの読書活動の推進に関する法律で定められています。
そこで今日は、発達障害と絵本についてお話しをしていこうと思います。
あなたと絵本の思い出はなんですか?
私は、大人になってからも絵本が好きでした。
絵本を開くと、一瞬で別の世界へ行ったような気分になっていました。
私にとっての絵本は、別の世界へ行く扉だったのかもしれません。
ドラえもんのどこでもドアのような感じですね。
大人でも夢中になる絵本。
発達障害のお子さんとか、定型発達のお子さんとか関係なく、子育てには絵本は欠かせない道具ですよね。
絵本をお子さんに読むとき、どのような座り型で読んでいますか?
1冊の本を一緒に読んでいるのですから、
・膝に乗せたている
・隣に座っている
と、とても近くで、身体の温もりが伝わっている状態ですよね。
温もりが伝わる状態は、発達障害のお子さんも絵本を読んでいる親御さんにも安心をもたらします。
特に、膝に乗せての読み聞かせは、ハグに近いふれあいをしているので、ハッピーホルモンが出やすい状態でとてもいいですね。
絵本の読み聞かせの時に、脳にはどんなことが起きているのでしょうか。
読み聞かせ中の脳の働きを調べる実験が、日本大学大学院総合科学研究科の泰羅雅登教授の研究チームで行われています。
その結果は
読み聞かせている母親の脳では前頭前野が活発に働き、
聞いている子どもの脳では大脳辺縁系が活発に働いている。というものでした。
前頭前野とは人間が人間らしくいるために大切な働きをしている箇所です。
記憶する、感情をコントロールする、判断する、応用する、などの働きをしています。
大脳辺縁系は、人間の食欲、睡眠欲などの本能、喜怒哀楽、情緒などをつかさどり、記憶や自律神経活動に関与する働きをしています。
読み聞かせで、脳の大脳辺縁系が活発に働くことで、お子さんの発達に良い影響を与えることができますね。
絵本の読み聞かせは、聞いているお子さんだけではなく、読んでいる親御さんにも効果があるのですから嬉しいですね。
絵本を読み聞かせながら、質問をする。答えをもらう。というコミュニケーションを取ることもできます。
質問するときに、
・絵本の主人公はどう感じているのかな。
・主人公の相手は何を考えているのかな。
・発達障害のお子さんに○○のことどう思った?
・読み手の親御さんはどう思ってると思う。
など、おなじ事柄に関して、立場を変えたらどう思うのか、を聞いていくのもいいですね。
発達障害の特性として、人の感情が分からない。というものがあります。
なので、発達障害のお子さんは、自分がどう思うかも上手に言えないかもしれません。
それでいいのです。
そんなときは読んでる親御さんが、
・ルンルンって、嬉しい気分になったと思うよ。
・プンプンって怒っているんだね。
・ワクワクしてきたね。どうなるか楽しみだね。楽しいね。
と、感じたことを伝えてあげてください。
絵本の読み聞かせを通して、こういう場合は、そうやって思う人がいるんだな。と分かることが大切ですよね。
そのことをすぐに忘れてしまっても、また読み聞かせをすればいいのです。
注意して欲しいのは、お子さんのタイミングで読み聞かせをして欲しいということです。
親御さんのタイミングとお子さんのタイミングが必ずしも合うわけではありません。
お子さんが、読んで欲しいな、と思っているタイミングで読めるのが一番です。でも、なかなかそういうわけにはいきませんよね。
発達障害のお子さんが嫌がっているときに、今が読み聞かせの時間なの。と強引に行うのはやめましょう。
せっかくの楽しい時間が持てる読み聞かせの時間が、持てなくなってしまっては、元も子もありません。
時間通りに読み聞かせを定着させたいときは、
・今日は何時から読みきかせだよ。
・あと何分したら読み聞かせだよ。
・今日はどの本を読みますか。本を選んでよ。
など、読み聞かせあるよ予告、をしていきましょう。
絵本の読み聞かせには
・コミュニケーションを取る
・スキンシップを取る
・脳が活性化する
・一緒に遊ぶ
など、大切で幸せな要素が詰まっています。
発達障害のお子さんは成長の発達がゆっくりです。
大きくなったから、もう読み聞かせは終わりとしないで、お子さんからもういいよ、と言ってくるまで、読み聞かせを続けていただきたいなと思います。
私の本棚には自分用に買った絵本がまだあります。
久しぶりに読みたくなりました。猫を膝にのせて読み聞かせにチャレンジしてみようかな。
それでは、今日も、楽しい1日をお過ごしください。
発達障がい支援センター 水野幸子でした。
追記:関連ブログへはこちらから
・ハッピーホルモン ハグ編
・ハッピーホルモン ボディタッチ編
・ハッピーホルモン 1人で編
・言葉のコミュニケーション・オノマトペ