発達障がい支援センター
真鍋良得(まなべりょうえ)です。
発達障害がある人から「人の顔が覚えられない」という話を聞くことがあります。
人の顔が覚えられない人はどうすればいいのでしょうか。
「自分は人の顔を覚えるのが苦手である」ということを最初に伝えて、相手が誰かわからなければ何度でも聞くということをすれば、この問題に対処できるのかもしれません。
ところが、「何度も名前を聞くのは失礼」「何度も聞いたら相手を不愉快にさせる」といった観念を持っていると、なかなか聞くことができません。
人の名前を覚えられないのが良くないことだと思う必要はありません。
記憶に関する能力は人それぞれで、覚えるのが得意な人もいれば苦手な人もいますが、子供の頃にみんなが同じようにできて当然だという観念を持つと、自分も相手の顔を覚えられて当然で、それができないのは自分が悪いのだと思い込んでしまいます。
発達障害があってコミュニケーションが苦手な人にとっては、相手に聞くということの負担は大きいものがあります。
自分の苦手なことを伝えて相手に聞くことができればそれに越したことはありませんが、それを伝えられなかったとしても、自分の特徴を理解し、それは悪いことではないのだと、できない自分を責めないことが大事です。
発達障害がある人の中には相手に対する興味関心を持ちにくく、相手の顔を見ること自体が苦手という人もいます。
顔全体を覚えようとすると難しい場合には、ほくろを探してその位置だけは覚えておくとか、相手の目だけを見て目の特徴だけ覚えておくように意識するとか、何かできる方法を考えてみるのもいいでしょう。
「相手の顔を覚えるのが苦手な自分」をそのまま受け入れて、何ができるか考えていきましょう。