こんにちは！発達障がい支援センター 心理カウンセラーの黒瀧素子（くろたきもとこ）です。
あなたは『メタ認知』という言葉を知っていますか？
メタ認知とは自分のことを客観的に見ることです。
つまり、自分が聞いたり、見たり、理解したり、考えたりしていることを、もう一人の自分が一段高いところから客観的にとらえている状態なんです。
メタ認知を高めて
客観的に見られるようになることのメリット
メタ認知ができるようになると、いいことがたくさんありますよ。
例えば、
・コミュニケーション力が高まる
・感情のコントロール力が高まる
・成績が上がる⇐なぜ今、自分はこの勉強をしているのか、目的を理解しているので、効率よく自分で計画を立てて学習を進められるようになる
・問題解決力が高まる
など、これ以外にもたくさんあります！
発達障害を持つお子さんは、発達がゆっくりなことが多いので、
子ども時代はなかなかメタ認知できない傾向にありますが、
親御さんの関わり方によって、メタ認知は鍛えることができるんですよ！
発達障害があると、メタ認知が育ちにくい！？
どうして「客観的にみる」ことが苦手なの？
では、どうして発達障害があるとメタ認知が育ちにくいんでしょうか？
定型発達の子どもは、自分の考えていることと他人が考えていることは違うということに、幼いうちからだんだんと気づいてきています。
でも、発達障害があると、自分の価値観だけで見てしまう傾向にあります。
他人は自分と違う価値観を持っているということになかなか気づけないので、
自分と他人との境界があいまいな傾向があります。つまり、
自分の考えていることは他人も当然理解しているはずだと思い込みやすいのです。
『自分の価値観は理解されている』ということが、発達障害の子どもにとっては当たり前と思いこんでいるので、
他人から理解されないことがわからず、理解されないことに怒り、他人を責めてしまうといったことも起こります。
理解されているということが、発達障害の子どもにとって当たり前のことと思い込んでいることから、
メタ認知がなかなか育たないということが起こってしまうのです。
メタ認知を高める方法
メリットがたくさんあるメタ認知ですが、
発達障害の子どものメタ認知を高めるために、
親はどんなことができるでしょうか。
まずは、日頃から「人にはそれぞれ、違う価値観や考え方を持っていること」
を子どもに伝えましょう。
「○○ちゃんはこう思うんだね。ママはこう思ったよ」
「○○ちゃんは□□ちゃんと違う考えなんだね。どうしようか？」
といった感じです。
そうすることによって、自分とは違う考え方があることを知ることができ、
他者の気持ちを理解する力につながっていきますよ。
「○○ちゃんはどうしてそう思ったの？」
と、自分の気持ちや考えを説明する機会を作るのもいいですね。
ほめるときは、「すごいね！」「すてきだね！」だけではなく、
どこがすごいのか、なぜすてきなのか、具体的にほめるようにしていくことで、
子ども自身が自分のことを知る機会にもなります。
そして子どもが自分自身に気づいて、自分自身を客観的にとらえられるようになることで、
結果的に子どものメタ認知が鍛えられます。
他にも、
・日記を書く
・感情が動いたときに「○○(自分の名前）は、怒りの気持ちを感じている」
などと、客観的に自分の状態を言うようにする。
※決して怒りを口にするのではなくて、もう一人の自分の立場からみた自分の状態ですよ。
など、メタ認知を鍛えるには様々な方法があるので、
子どものコミュニケーション力を高めたい方、子どもが自分で問題解決する力をつけないと思っている親のあなたは、ぜひできるところから試してみて下さいね。
発達障害の子どもが自分自身を知ることはとても大切なことです。
自分自身のことを知ること、自分の考え方、得意なこと、苦手なことをよく理解することで、
困難なことが起こっても、
改善の方法を考えられるし、
自分のいいところを生かすことができます。
お子さんのメタ認知を鍛える声がけから始めてみませんか？
