発達障がい支援センター
真鍋良得です
誰にでも得意なことと苦手なことががあると思います。
苦手なことはどうしても避けようとするのですが、じっくり見てみると苦手だと思っていることの中にも得意なことがあるかもしれません。
子供の頃に苦手だと思っていたのでそれを避けてきたけれど、実はそんなに苦手ではなかったということもあります。
私は小学校、中学校と体育の成績が常に最低評価で、親からも先生からも「もっと頑張れ」「みんなはできてるのに」「なんでそんなにできないんだ」と言われていました。
そう言われ続けていたので、「自分は運動が苦手なんだ」と思っていました。
自分は運動神経がないんだと信じ込んでいました。
鉄棒も跳び箱もほとんどできなかったし、プールで泳ぐこともできませんでした。
団体競技はミスばかりして周りの子に迷惑をかけていました。
校内マラソン大会ではいつも後ろから2番目でした。
でも最近、運動が苦手だというのはただの思い込みではないかということに気づき始めました。
大人になってからの私は、
フルマラソンを結構いいタイムで走りました。
ボウリングも高い得点を出しました。
ソフトボールではホームランを打ちました。
初めて行ったスキーも短時間で滑れるようになりました。
考えてみると、スポーツは好きだし、結構できるんですけど子供の頃から「運動が苦手」と思い込んでいたので、いまでもその観念を持ち続けていたのです。
たぶん、子供の頃に体育の成績が悪かったのは、先生はほとんどやり方を教えてくれなかったので、どうやればできるのかがわからなかったのと、目が悪いので球技の場合にはボールが十分に見えていなかったからなんじゃないかと思います。
他の子は見よう見まねで出来ていることでも、私は人がやってるのをみてもどうやっているのかがわからなかったのです。
多少教えてもらった場合でも、その指示が理解できなかったということもあります。
野球のボールを投げるにしてもボールの握り方や投げ方がわかればちゃんと投げられるのですが、それがわからなかっただけで、大人になって本を読んで投げ方を知ったら速い球を投げられるようになりました。
子供の頃も、自転車に乗れるようになるのにそんなに苦労しなかったし、竹馬も自由自在に操っていました。
バランス感覚がいいのだと思います。
でも、鉄棒とか跳び箱なんかは全然できなないし、団体競技だと右往左往しているだけなので、「運動ができない」という評価をされていたんじゃないかと思います。
発達障害がある子供と言うのは、自分ができるやり方で自分なりに工夫してやればできるんだけど、他の子と同じやり方を押し付けられたらできないということがあります。
また、やりかたの指示も、口で説明されても手本を見せられてもできないけど、紙に書いたり絵を使ってゆっくり説明してもらえば理解できるということがあります。
自分にはできない、苦手だと思っていることは、本当は苦手なことではないかもしれません。
苦手だと思っていることの中の一部は本当に苦手だとしても、その中には得意なことがあるかもしれません。
「自分はこんな人」という思い込みを「ホントにそうなのかな」ともう一度見直してみると、自分の新たな可能性が見つかるでしょう。