こんにちは!
発達障害支援センターの黒瀧素子(くろたきもとこ)です。
子育て中のあなたは、
・うちの子はなかなか友だちを作るのが苦手だとみたいだけど、このままで大丈夫かしら?
・うちの子は友だちと遊んでいても、ちょっとしたことでもカーっとなって手が出てしまう乱暴なところがあるのが心配
・うちの子は、言わなくていいことをつい言ってしまって、相手を怒らせてしまうところがあるけど、このままで大丈夫だろうか?
・うちの子は忘れ物や失くしものが多くて、なかなかなくならないんだけどどうしたらいいんだろう?
といったことが気になっていませんか?
このような問題は発達障害・グレーゾーンの特性から起こることがあります。
生まれつきの脳の機能の発達にアンバランスさ(よく発達の凸凹ということもあります)があって、その子ども・その方の置かれている環境(暮らす環境や周囲の人との関り)にマッチしなかった場合に、社会生活に困難が生じているのが発達障害です。
なので、脳の機能にアンバランスさがあっても環境にマッチすれば、社会生活に困難が生じないので発達障害ではなくなります。
発達障害があると、定型発達であれば周りの人のやっていることを見て自然と学習して身につくことが身につきづらいことがあります。
例えば、発達障害の特性により、どうして怒られているのかがわからなかったり、やったらいけないということが自分で判断できないといったことが起こってきます。
生まれつきの脳機能の障害とされているので、現状は治るということはないのですが、
置かれている環境にマッチできるように、トレーニングで取り組むことができます。
そういったレーニングをSST(ソーシャルスキルトレーニング)といいます。
SST(ソーシャルスキルトレーニング)はオーダーメイド
あなたは、SST(ソーシャルスキルトレーニング)という言葉を知っていましたか?
SST(ソーシャルスキルトレーニング)とは、社会生活技能訓練とも呼ばれ、社会生活を送っていく中で、現状起こっている問題や今後起こりうる問題を想定して、
・問題を起こさない訓練
・問題を解決する訓練
をすることにより、社会の一員として生活できるようにするトレーニングのことです。
多くの場合は、社会とは人間関係・対人関係を指すことが多いです。
もちろん対人関係ではないことに対するSSTもあります。
社会というのは、例えば、子どもだったら学校、
大人だったら、家族関係や職場などということになりますね。
その子ども・その方によって、また置かれている状況によってどんな内容のSSTをするかは変わってきます。発達障害の特徴も人によって異なりますし、年齢・性別・兄弟の数・家族構成など置かれている環境も一人一人異なるし、どのような社会生活を送っているかもみな違います。現在起こっている問題も、これから想定される問題も一人一人違うので、必要なSSTは一人一人ちがってきます。
発達障害のカウンセリングの中でSSTを行うときは、
①発達障害の特徴(発達検査)
②置かれている環境と現在困っていること
③これから起こりうる問題
以上の内容を正確に把握して
うえで、その子ども・その方に対してどんなSSTをしたらいいかを考えて行っていきます。
どんな発達障害をもっているかを正確に知るためには、発達の検査結果をみることが大切です。
その子・その方の必要に応じて、オーダーメイドで行っていくようなイメージです。
様々なSSTがあります
例えば、子ども向けに対人関係のSSTとして
・笑顔であいさつする
・友だちの作りかた
・友だちとけんかしたときに、どう仲直りにもっていくのか
・イライラしたときにすぐ手が出てしまうというのをどうとらえていけばいいのか
・友だちグループの作り方
・自分を大切にするこころをどう育んでいくのか
といったスキルを身につけるトレーニングをやっていくこともあります。
大人向けでは、
・職場の人間関係をうまくやっていく方法
・電話の応対の仕方
・頼みごとを上手にする方法
・上手に断る方法
・会話の仕方
・相手の話に耳を傾けるスキル
・仕事の期限に間に合うようにスケジュール管理するスキル
ということをやっていくこともあります。
また、
・ストレスがたまったときにセルフケアする方法
・身だしなみに関すること
など、内容は多岐にわたります。
そして、今現在問題が起きていなくても、
今後起こることが予測される潜在的な問題(例えば性のことなど)を推定して、
今後問題が起きないように予防していくということも行っていきます。
方法も様々で、例えば、絵カードを使ったり、ワークシートを用いたり、ゲームを通して行うもの、ロールプレイなど方法も様々で、例えば耳からの情報が入りづらいなど、その子・その方の特性に合わせて行って行くことが大切です。
日常生活でできるSST
SSTは家庭で日常生活でできることもたくさんあります。
というよりも、子育て中の皆さんがやられている、しつけだったりマナーを教えたりということは、
社会で生きていく上で困らないように身につけていくことなので実はSSTだったりします。
ネットや本で調べた方法では難しいといった場合には、
発達障害専門のカウンセラーなど専門家に相談して行っていくことで、
その子ども・その方に合った適切なSSTに取り組むことができます。
あなたは、発達障害だからグレーゾーンだからとあきらめていることはありませんか?
あなたは、発達障害だからグレーゾーンだからと自分はダメなんだと思ってしまっていませんか?
発達障害・グレーゾーンがあっても、SSTを行うことによって克服できることはたくさんあります。
子どものうちからSSTで対人関係などのスキルを身につけていくことによって、大きくなってから問題が起きにくくなります。
大人になってから発達障害がわかった方でも、SSTやカウンセリングなどで克服している方はたくさんいます。
今できないことがあったとしても、子どもの未来のため、あなたの未来のために今から行動することが大切です。
発達障害の困りごとや生きづらさを克服して、幸せに生きていきましょう。
あきらめなければ、克服する道は必ずありますよ。