こんにちは!
発達障がい支援センターの黒瀧素子(くろたきもとこ)です。
発達障害、特にASD(自閉症スペクトラム)の方はこだわりが強いことが特徴の一つとなっていますが、発達障害ではない定型発達の方でもこだわりがある人はいます。
こだわりって誰でもある気がしませんか?
・キャンプ道具にこだわって集めてます
・朝のルーティンを続けていますよ
・素材にこだわって料理をしていますよ
などなど、定型発達の人も発達障害の人も、こだわりってあるよね、と思いませんか?
発達障害・ASD(自閉症スペクトラム)の人は強いこだわりがあると言われていますね。
発達障害の方のこだわりと、定型発達の方のこだわりはどのような違いがあるのでしょうか?
今日はこの『こだわり』について、
発達障害の人と定型発達の人ではどのように違うのかについてのお話です。
1.こだわる理由が違う
1つ目は『こだわる理由』が違うのです。
こだわって集めるものって、子どもであれば好きなキャラクターの人形を集めてみたり、カードゲームのカードを集めてみたり、ミニカーを集めてみたり、大人でも趣味でいろんな物を集めている人はよくいますよね。
こだわりの素材を使ったレストランのシェフとか、洋服はこのブランドにこだわってそろえています、とか、こだわりもさまざまありますが、定型発達の人は基本的に何にこだわるかは自分の好みや楽しみや人に認められたい、つまり承認欲求を満たすためだったりと、自分の意志で決められます。
これに対して、発達障害・ASDの人のこだわりは、食べる順番が細かく決まっていたり、ものの置き場所を自分のルールの通りに置きたがったり、ドアの施錠を気にしたりという感じで、他人に認められるためとか、自分が楽しいからというよりは、興味があるものだったり、いつの間にか自分で「こうしなければいけない」と決めてしまっているものだったりにこだわってしまって、自分で決めたことによって周囲と衝突するなど不自由になってしまったりもします。
こだわりたくてこだわっているのではなく、自分でもそのこだわりをなぜ持っているのかわからないことも多く、そのこだわりをやめたくてもやめられないというような感覚です。
定型発達の方は0を10にしたくてこだわっている、どちらかというとポジティブなイメージです。
これに対して、発達障害・ASDの方のこだわりは、ー10を0にしたい、ずっと0にしたい、どちらかというとネガティブな意味あいのこだわりです。
発達障害の方がこだわりが守れない場合、とても不安な気持ちになるのです。不安だから何かの物事にこだわって安心を得ようとしている感覚なのです。
2.柔軟性があるかないかが違う
定型発達の方はこだわることができなくて、違う方法でやればいいやと、すぐ気持ちを切り替えることができますが、発達障害・ASDの方はすぐに違う方法に切り替えることができなかったり、気持ちを切り替えることが苦手だったりします。できないとわかっているのに、やろうとして、イライラしたり、怒りを爆発させてしまったり、メルトダウンというパニック状態になってしまうこともあります。
3.こだわりに対してどうしていったらよいのか
こだわりは観念から生まれます。観念とは主観的なものごとのとらえ方です。発達障害・ASDの方は不安があるので物事にこだわって、こだわりが守れないとまたとても不安になるのです。
「そうでなければいけない」といった自分で作ったマイルールに自分で自分を縛ってしまって不安になるのです。
ですので、そこまで不安になる必要がないことを自分で言い聞かせてみてください。
そして、まわりの支援者の方も、発達障害で不安なことに気づいたら、まずは、
「不安なんだね」
と共感してあげてください。まわりから見たらたいしたことではないと感じることでも、発達障害・ASDがある方にとってはとても不安なものなのです。発達障害・ASDの方は、自分の不安な気持ちをわかってもらえるだけでも安心することができるものです。