こんにちは、発達障がい支援センターの神谷今日子です。
あなたは、発達障害のある方は、急な予定変更があるとパニックになることがあると聞いたことはありますか?
特に、ASD(自閉スペクトラム症)の方に当てはまることが多いケースです。
ASDの方の場合、こだわりの強さや想像することの苦手さがある傾向にあります。
そのため、これをするんだ!と思っていたことができなかったり、予定が変わって次にやることがわからなかったりすると、パニックになることがあるのです。
では、こんな発達障害の予定変更パニックには、どう対処していったら良いのでしょうか?
今日は、対処方法をいくつか紹介させていただきます。
1.事前に、予定が変わる可能性があること、その場合どうなる可能性があることを伝えておく
急に予定変更を告げると、よりパニックになりやすくなります。
ですので、事前に伝えておくことが、できる対応の一つです。
「この予定は、今、12時~になっていますが、相手にこんな予定が入る可能性もあるので、14時~に変わるかもしれません」
「この時間は△△をする予定だけども、もしかすると、こういった理由で、●●をすることに変わるかもしれません」
こんな風に、なるべく具体的に、変わる可能性があることを伝えるのです。
そうすることで、事前にある程度予定変更の見通しを持つことができるため、パニックを起きづらくすることができます。
2.視覚化して、わかりやすく予定変更を伝えられるようにしておく
時間の感覚や、予定の入り具合を想像すること、口頭でのやり取りが苦手な発達障害の方の場合、目で見てわかる形に予定を作っておくことも大切です。
そうすることで、先の見通しを立ちやすなります。
もし、変更があった時も、例えばマグネットを入れ替えるだけで、予定の変更や今後のスケジュールがわかるようになれば、パニックを防ぐことができます。
3.発達障害当事者に選ばせる
こちらで、予定変更後の行動を指示すると、パニックになる発達障害の方もいます。
その場合、発達障害の方に選ばせるという対応方法もあります。
例えば、動物園にて、パンダを見に行く予定だったけど、動物園側の都合で見れなくなってしまったとします。
そのときに、「他には、馬やサル、ウサギが居るけど、何見たい?」と当事者に選ばせてみるのです。
そうすることで、予定変更後も。自分の選択で自分が見たいものを見ることができたと思えるため、パニックを防ぐことができます。
これは、予定変更の時だけでなく、普段から使える方法です。
もし、想像することが苦手で、不安感が強く、行動に移すのが難しい発達障害の方の場合、選択肢を提示して選ばせてみることで、最初の一歩が踏み出しやすくなります。
4.予定は変わるものだということを理解させる
予定は絶対ではなく、いつでも変わる可能性があるということを理解しておくことも大切です。
発達障害のある方の場合、白黒つけやすい傾向にあり、こうだったら絶対こう!と思い込みやすい部分があります。
ただ、実際、生きていると、予定も人間関係も何もかも、変わっていく可能性はありますよね。
そこを説明してあげて、本当に理解できるようになると、予定変更のパニックも緩和されていきます。
5.予定が変わることでどうなることが怖いのか?メンタルブロックを外しておく
予定が変わることの不安や怖さというのは、メンタルブロック(否定的な思い込み)から生まれていることもあります。
例えば、失敗してはいけないというメンタルブロックがある発達障害の方の場合、予定が変わったら失敗するかもしれない…と思うとパニックになりますよね。
他にも、人から嫌われてはいけないというメンタルブロックがある発達障害の方の場合、誰かとの約束を変更したら、相手から嫌われるかもしれない…と思い、パニックになったり、何が何でも変更しない!と頑なに予定変更を拒んだりします。
こんな風に、発達障害の特性だけでなく、メンタルブロックが、予定変更のパニックを生み出しているケースも多くあります。
このケースであれば、メンタルブロックを外していくことで、予定変更のパニックを改善することができます。
いかがでしたでしょうか?
今回は、発達障害の予定変更パニックへの対処法ということで、5つ紹介しました。
ここで紹介したのは、ほんの一例で、その方によって合うやり方は違います。
ぜひ参考に、発達障害当事者の方に合うものを探してみて下さいね。
では、今日は心理カウンセラーの神谷今日子がお送りしました。