こんにちは、発達障がい支援センターの神谷今日子です。
発達障害の子どもを持つ親御さんであるあなたは、発達障害の子どもを劣っていると思うことはありますか?劣等感を感じることはありますか?
子どもが発達障害である場合、同じ年齢の他の子と比べると、何かができるのが遅いことがありますよね。
例えば、言葉を喋り始めるのが遅かったり、走るのが遅かったり…。
このような場面に遭遇すると、一度は発達障害の子どもに劣等感を感じたことがあるのではないかなと思います。
また、発達障害当事者の方も、自分が何かができるのが遅いことがあると、劣等感を感じるかもしれません。
今日は、そんな、発達障害と劣等感についてお話していければと思います。
発達障害の方はなぜ劣等感を感じやすいか?
発達障害のある方は、得意・不得意がはっきりとしている傾向にあり、他の子と比べると、特定の行動や習得が遅い傾向にあります。
そういった場面に遭遇し続けると、「自分は他の子より劣っているんだ・ダメなんだ」という思いを抱きやすくなります。
親御さんもそんな場面を見ていると、もっと自信を持たせるために頑張らせないと!克服させないと!と、子どもへの指導に力が入りすぎることもあります。
また、他の理由としては、発達障害のある方は、客観的に物事を見ることが苦手です。
誰しもができないことはあるし、失敗することもあるのですが、その一つのできないこと・失敗を自分のすべてだと思いやすいのです。
一度の失敗で、「自分は何をやってもダメな人間なんだ」と思いやすいということですね。
では、どのようにしていけば、発達障害の劣等感を克服できるのでしょうか?
何かをできるようにするだけでは劣等感の克服は難しい
何かができなくて劣等感を感じるのであれば、皆さん最初に考える克服方法は、それをできるようにすることではないでしょうか?
かけっこが遅くて劣等感があるなら、速く走れるようにする。
テストで100点が取れなくて劣等感があるなら、100点取れるようにする。
収入が少なくて劣等感があるなら、収入を増やす。
こうすれば、劣等感はなくなるはず!と思いますよね。
発達障害の子どもを持つ親御さんも、これができるようになれば自信が持てるはず!と指導に力が入ると思います。
ただ、残念ながら、これでは、劣等感を克服することは難しいのです。
なぜなら、何か一つできるようになっても、また次のできないことが出てくるからです。
例えば、50m走を8秒で走れるようになったら、今度は、7秒で走れる人と比べて、自分は7秒では走れない…と思って、劣等感が生まれるのです。
仮に、世界で一番速く走れる人になっても、今度は、また別のところで、例えば、見た目があの人よりかっこよくないと感じて劣等感が生まれるのです。
世の中、すべてのことが完璧にできる人はいませんよね。
警察官で、消防士で、税理士で、医者で、自衛官で、弁護士で、大工で、トラック運転手で、考古学者で、歌手で、俳優で、画家で…とすべてできる人はいません。
必ず、誰しもが、できる部分とできない部分を併せ持っているのですね。
まとめると、すべて完璧にできるようになるのは不可能で、できること・できないことをどっちも持っているのが人間です。
なので、何かができれば劣等感がなくなるということはないのですね。
すべてできるようになろうとすれば、終わりがないのです。
じゃあ、どうすればいいのでしょうか?
発達障害の方が劣等感を克服するには、内面を変えていくことが大切
劣等感を感じるということは、何かしらの基準が発達障害の方の中にあります。
こうでなければいけない
こうであってはいけない
といった基準です。
私たちのおこなうカウンセリングでは、「観念」と呼んでいるものです。
こういった基準は、その人の中にある主観的なものなので、客観性はありません。
これがある場合、その基準を満たさない場合は、劣等感が出ます。
例えば、テストではいつも100点を取らなければいけないという基準(観念)がある場合、1つでも99点だったら劣等感になるのですね。
一方で、この基準がない人は、99点取ったら、おお~!頑張った!と満足するかもしれません。
こんな風に、こうでなければ!という基準があることで、劣等感というのは生まれるのです。
他には、何でもできなければいけない!という基準を持っている人は、何か1つでもできないことがあると、劣等感に襲われます。
背が高くなければいけない!という基準を持っている人は、背が低い場合、劣等感に襲われます。
この基準を取っ払っていくことが、劣等感の克服にはとても大切になります。
何度も言いますが、その基準を満たすことで劣等感を克服しようとする人が多いのですが、すべてができる人・すべての基準を満たす人はいないので、それでは劣等感は克服できません。
発達障害の子どもを持つ親御さんはどうでしょうか?
何かの基準を通して、子どもを見てはいませんか?
発達障害当事者であるあなたはどうでしょうか?
自分を何かしらの基準でジャッジしてはいませんか?
基準を取っ払っていくこと。
これが、劣等感の克服で大切なことなのです。
劣等感を生む基準を取っ払っていくためにできること
では、基準を取っ払っていくためには、どうしたらいいのでしょうか?
方法の一つとしては、客観的に見ていくことが大切です。
何でもできなければいけないという基準がある場合は、何でもできる人ってこの世にいないから、達成不可能なことをしようとしてるよな~と気付くことが大切です。
背が高くなければいけないという基準がある場合は、背が高くても・低くても人の価値って変わらないよな~と見ていくことが大切です。
そして、背が低くても劣等感がなく自信のある人もいっぱいいますよね。
こういったことに気付くことも大切です。
また、劣等感がある発達障害の方の周りの人にできることもあります。
できているところに目を向けて褒めたり、客観的な視点を伝えていくことができます。
「できなかったって言ってたけど、こことかはすごくよくできてるよ!」
「誰しも最初から完璧にはいかないから、○○さんが劣ってるとかそういうことではないよ」
といったようにですね。
少し根気が要りますが、伝え続けていくことで、劣等感は減っていきます。
ということで、今日は発達障害の方の劣等感について、克服方法とともにお伝えしていきました。
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では、今日は心理カウンセラーの神谷今日子がお送りしました。