こんにちは、発達障がい支援センターの神谷今日子です。
発達障害の方のお悩みの一つに、「見通しが立たないのが不安」ということをよく言われます。
確かに、見通しが立たないって不安だし、怖いですよね。
この後、どうなるんだろう?
あれもしなきゃいけないかな?これも…?終わらなかったらどうしよう!
こんな考えが頭の中を巡り、パニック状態に陥る発達障害の方もいらっしゃいます。
今日は、発達障害の方の「見通しが立たない不安」への対処法をお伝えできたらと思います。
1.予定を視覚化して、イメージできるようにする
発達障害の方は、ただ、予定を言われただけだと、見通しが立たず、不安になることがあります。
ですから、予定を時間とともに紙に書いたり、絵にしたり、視覚化することで見通しを立ちやすくします。
何がこの後あるのか、理解できれば、不安が軽減します。
また、頭の中で、その予定を実施している自分の様子をイメージすることも、不安の軽減につながります。
2.予定の数を減らす
予定や、やることが多すぎると、どうしても見通しが立ちづらくなります。
ですから、そもそもの数を減らすことで、不安が大きくなりづらく、集中しやすくなります。
そんなことわかってる!と思う発達障害の方も多いのですが、無意識に予定が多くなりすぎていることもあります。
まずは、「やるべきこと」と「やった方がいいこと」に分け、「やった方がいいこと」もやるべきだと思い込んでいないか、チェックしてみましょう。
例えば、やるべきことは、学校に行くこと・入浴睡眠食事などの基本的な生活なのに、成績を上げることを最優先にして、他のことがおざなりになり、生活リズムも乱れ、学校に行けなくなるということも起こりうるのですね。
あとは、他の人と予定の数を比べて、自分も頑張らなければと不安になるケースもあります。
予定を数多くこなせるから偉いわけでもないですし、人それぞれ、丁度良い予定の数はありますので、あなたらしくで良いのですよ。
3.大きな予定は細分化する
時間がかかりそうな大きな予定ってありますよね。
このプロジェクトを完成させる・夏休みの宿題を終わらせる等です。
発達障害の方の場合、こういった予定は、見通しが立ちづらいため、不安になり、後回しにしがちです。
こういった場合、予定を細分化することが大切です。
例えば、「夏休みの宿題をやる」という漠然とした予定にするのではなく、宿題に、ドリルと読書感想文とポスターがあるのであれば、
・ドリルは1日1ページで、2週間で取り組む。
・感想文は1日で本を決め、3日で本を読み、3日で文を書く
・ポスターは1日はデザインを決め、2日で下書きをし、5日で色づけして仕上げる
など、細分化するのですね。
また、予定は詰めすぎず、できなかった時のために、予備日を設けておくことで、不安も軽減します。
最初は完璧に予定を細分化できないと思いますが、何度も立て直していくうちに、少しずつ、自分のペースをつかめるようになり、不安も減っていきます。
4.思い込みを外す
私たちは、過去の経験によって、ネガティブな思い込みをし、不安を生み出すことがあります。
例えば、小さい頃に、失敗した時や完璧にできなかった時に、よく叱られていたとしますよね。
その経験を繰り返しているうちに、
最初から完璧にこなさなければいけない
失敗してはいけない
といった、ネガティブな思い込みを無意識にしていることがあります。
そうすると、学校や仕事で、やったことのないものに取り組む等の見通しが立たない場面になった時に、↑の思い込みが発動します。
『失敗したら・完璧にできなければ危険なことが起こるのでは!?』と無意識に防衛本能が働き、不安になるのです。
失敗しない・完璧にできる確約がないと、不安になってしまうのですね。
ただ、世の中100%失敗しない確約も、100%完璧にできる確約もないので、思い込みがある限り、ずっとずっと不安が消えません。
発達障害の方は、もともと特性で、見通しが立ちづらく不安になることもありますが、このネガティブな思い込みによって、不安が大きくなっていることも実は多いです。
見通しが立つように努力しているにも関わらず、不安がなかなか軽減しない場合は、この「思い込み」についてもチェックしてみましょう。
ということで、今回は、発達障害の方の「見通しが立たない不安」への対処法を4つお伝えしました。
参考になりましたでしょうか?
関連記事として、予定変更でパニックになる発達障害の方への対処法は、
「発達障害の予定変更パニック!どう対処すれば良い?」
も参考にしていただければと思います。
では、今日は心理カウンセラーの神谷今日子がお送りしました。