新年あけましておめでとうございます。
発達障がい支援センターの黒瀧素子(くろたきもとこ)です。
今年もよろしくお願いいたします。
発達障害もしくは発達障害の傾向をもっているお子さんを育てているあなたは、
子どもが苦手なことがなかなか克服できないことを心配したり、
好ききらいの差が激しかったり、
興味のあることとないことの差が激しいな、ということが気になっていませんか?
発達障害や発達障害の傾向のある子どもは、
克服しようとすると、ものすごい時間がかかるということがあります。
苦手なことを努力によって克服できる可能性は、定型発達の子どもに比べれば小さいということがあります。発達障害の特性のためにできないこともあります。
そこで、できることや好きなことに目を向けていく、つまり長所として伸ばしていくというとらえ方をしていくことが大切なのです。
苦手なことを克服していくよりも、いいところを伸ばしていく方が楽ということもあります。
発達障害のお子さんができることや好きなことを認めていくことがとても大切なのです。
どんなことに興味があったとしても、それがたとえ「役に立たなそう・・」と感じたとしても、
意欲を持って何かをやり続ける気持ちをはぐくんであげることが、お子さんの『できる』『好き』を長所に変えていくことにつながるのです。
お子さんの長所を見つけて、それを伸ばしていくには、
まずはお子さんの『できる』ことや『好き』なこと存分にやらせてあげることが重要です。
つい「勉強しなさい!」と親や先生の立場であれば言ってしまうところなのもよくわかります。
ですが、発達障害の特性のある子どもがやる気をもってとり組んでいることを、認めてやり続けることができる環境を与えてあげることがとても大切で、そうすることで、子どもの可能性は広がり、子どもは自分に自信を持つことができるようになっていきます。
そして、子どもの長所を伸ばして、子どもが自分に自信を持てるようにしていくためには、とにかく「ほめる」ことと適切に「叱る」ことが大きなポイントになります。
とにかく「ほめる」ことと、適切に「叱る」こと。言葉でいうのは簡単ですが、親が実際にできるようになるためには練習も必要だしとても根気もいることになります。ほめ方と叱り方を学んで実践していくことも大切なことです。
長所になりうる発達障害の特性
ASDの場合
特性1.人との関りが苦手
⇒長所① 人の意見に左右されない
⇒長所② はっきりと自分の意見が言える
特性2.コミュニケーションが苦手
⇒長所①視覚的、聴覚的に優れた能力を持っている場合がある
⇒長所②絵画や音楽など芸術面に秀でた能力を持っている場合がある
特性3.こだわりが強い
⇒長所① 好きなことには集中して取り組める
⇒長所② まじめ、几帳面、努力家
⇒長所③ ルールを守れる
⇒長所④ 目標達成への意欲が強い
ADHDの場合
特性1.不注意
⇒長所① 新しいものに鼻がきく
⇒長所② 興味あることには没頭できる
⇒長所③ アイデアが豊かで発想力に富んでいる
特性2.多動性
⇒長所①行動直がありエネルギッシュ
特性3.衝動性
⇒長所① 積極的なコミュニケーション力がある
⇒長所② 頭の回転が速い
⇒長所③ 感受性が高く共感力がある
LDの場合
特性1.読み書きが苦手
⇒長所① 記憶力を養うことで克服できる場合がある
特性2.六つの能力(「聞く」「読む」「話す」「書く」「計算する」「推論する」)の障害
⇒長所① 支援ツールの活用で苦手の克服も可能
今回ご紹介したように、発達障害の特性は生きづらさにつながることもあるのですが、見方を変えれば長所にもなりなり得ます。
先ほども言いました通り、苦手なことを克服していくよりも、いいところを伸ばしていく方が楽なのです。
発達障害もしくは発達障害の傾向をお持ちのお子さんができることや好きなことを認めてあげて、自分に自信を持てるようにしてあげてくださいね。
目の前で起こっていることだけを見るのではなく、長いスパンで考えて子どもに必要な支援を与えていけるようにしていきたいですね。