こんにちは。発達障がい支援センターの阿部由香里です。
発達障がいの困りごとに合わせて、社会生活に適応できるようにSST(ソーシャルスキルトレーニング)をすることがあります。親や支援者はそれによって、発達障がいの当事者を様々な困りごとの緩和に導きます。
その時の目的は、それはあくまで、発達障がいの当事者が生きづらさを感じていたものを、少しでも楽にしていけるためのものであります。ここで注意してほしいことがあります。決して、定型発達の人の都合のよいように合わせようとして、発達障がいの人を辛くさせるものであってはいけないと思います。例えば、少数派の左利きの人が、右利き多数派の生活に合わせることで、いくらかのストレスを抱えて生きていることは想像できると思います。それ以上に脳のつくりの違いというのはもっと大きなストレスを生み出します。
例えば、親が子どもを育てるうえで、発達障がいの子どもを育てることが大変だという問題があるかもしれません。確かにその苦労は、定型発達の子どもを育てることに比べて何倍も時間がかかり、様々な悩みがつきることがなかったことと思います。愛するわが子のために悩んできたその苦労を、たくさんの時間を過ごしてきたことと思います。できれば定型発達のほうに寄せていきたいかもしれません。
発達障がいの脳と、定型発達の脳は脳神経のシナプスが複雑に発達した状態のままであるか、シンプルに整理されて間引かれた状態なのかという違いがある、と言われています。それぞれが違う世界を作り出しているようなものです。お互いが知らない世界を理解することは難しいですが、少数派の世界も否定することなく、お互いに認め合うことを目指していきたいですね。