おはようございます。発達障がい支援センターの青芝夏樹です。
発達障害の方は、脳の発達に違いがあるために、コミュニケーションや社交に苦労することがあります。このような状況において、アサーションコミュニケーションは有効な手段となります。
アサーションコミュニケーションとは
アサーションコミュニケーションとは、自分の思いや意見を適切に相手に伝えることができるコミュニケーションの方法です。発達障害の人々は、自分の思いや意見をうまく相手に伝えることが難しい場合があります。しかし、アサーションコミュニケーションは、具体的な技術を用いて、自分の意見をはっきりと表現することができます。例えば、感情を表現する言葉や、相手の立場を考えた上での適切な言葉遣いなどが挙げられます。
アサーションコミュニケーションのメリット
意見を適切に伝えることができる
アサーションコミュニケーションを使うことで、発達障害の人々は、自分の意見を適切に伝えることができます。これにより、コミュニケーションがスムーズに進み、誤解や不満の解消につながります。また、アサーションコミュニケーションは、相手に対して尊重を示すことができるため、相手からの理解や協力を得やすくなります。
自己主張や自己肯定感を高めることができる
アサーションコミュニケーションは、自己主張や自己肯定感を高めることができます。発達障害の人々は、コミュニケーションにおいて自分自身を表現することが難しい場合がありますが、アサーションコミュニケーションを通じて、自分の意見をはっきりと表現することができます。これにより、自分自身に自信を持つことができ、自己肯定感を高めることができます。
ストレスや不安を軽減する効果がある
さらに、アサーションコミュニケーションは、ストレスや不安を軽減する効果もあります。発達障害の人々は、コミュニケーションにおいて不安やストレスを感じることがありますが、アサーションコミュニケーションを使うことで、自分の思いや意見を適切に伝えることができ、不安やストレスを軽減することができます。
自己開示の手段となる
アサーションコミュニケーションは、発達障害の人々にとって、自己開示の手段となります。自己開示とは、自分自身についての情報を相手に伝えることです。発達障害の人々は、自分自身を表現することが難しい場合がありますが、アサーションコミュニケーションを通じて、自己開示をすることができます。これにより、相手との信頼関係を築くことができます。
アサーションコミュニケーションのやり方
相手が何を言いたいのかを理解する
まず、相手が何を言いたいのかを理解することが重要です。相手が何を不満に感じているのか、どのような点で自分に非難を浴びせているのかをよく聞き、相手の気持ちを理解しましょう。
自分の気持ちや意見を明確に伝える
相手の話を聞いたら、次に自分の気持ちや意見を明確に伝えます。たとえば、「私はあなたが言っていることが理解できない」「私はこの件について話し合うことが必要だと思います」といったように、自分の立場を明確に表明します。
相手の反応に対して、適切な対応を行う
相手からの反論や反応があった場合は、自分の立場を説明することで、相手との認識の共有を図ります。たとえば、「私の意見を聞いてもらえますか」「私たちはお互いに話し合いを進めていく必要があると思います」といったように、話し合いを進めるための対応を行います。
言葉遣いやトーンに注意する
相手に責められたときには、感情的になってしまうこともあるかもしれませんが、言葉遣いやトーンに注意することが重要です。相手を攻撃するような言葉遣いやトーンを避け、代わりに自分の気持ちや意見を伝える表現を使います。
解決策を共有する
最後に、解決策を共有しましょう。たとえば、「私たちは話し合って解決策を見つけましょう」といったように、お互いに納得できる解決策を共有することで、問題を解決することができます。
具体的な表現方法
「私は〇〇についてどう思う」「私は〇〇が好きだから、〇〇をしたい」など、自分の気持ちや意見をはっきりと述べる。
「もう少し詳しく話してもらえますか?」、「どうしてそう思うのですか?」など、相手の話を聞き、理解することを促す。
「言われたことは理解していますが、〇〇についてはどう考えていますか?」など、自分の立場を明確にしつつ、相手の考え方にも興味を示す。
「もう少し穏やかな言い方で話してもらえますか?」、「そんなことを言われると、私は傷つきます」といったように、相手に言葉遣いやトーンに注意するように伝える。
「一緒に〇〇を考えてみませんか?」、「〇〇をすることで、お互いにとってプラスになると思います」といったように、お互いに納得できる解決策を提案する。
これらの表現を使いながら、相手とのコミュニケーションを深め、お互いに納得できる解決策を見つけていくことが大切です。ただし、アサーションコミュニケーションは練習が必要であり、最初からうまくいくことは稀です。何度も練習を重ね、自分の気持ちや意見を表現する自信をつけることが大切です。