こんにちは!
発達障がい支援センターの黒瀧素子(くろたきもとこ)です。
本日のテーマは、発達障害の告知のメリット・デメリットです。
現在は発達障害から神経発達症という呼び名に変わってきていますが、まだ世の中では発達障害という言葉の方が知名度が高いので発達障害という言葉を使ってお話ししますね。
わが子が、家族が、発達障害の検査を受けるなどして発達障害の傾向があると分かった場合、発達障害を告知するといいのか、それとも告知しない方がいいのか、どうしたいいのかわからなくなって悩んでしまっていませんか?
告知したほうがいいのかしない方がいいのか悩まれているのであれば、急いで無理に告知をせず、まずはメリットデメリットをしっかり考えてみましょう。
発達障害の傾向があっても、その方が自分の力でなんとか出来たり、スキルトレーニングをうけて困りごとが改善できる状況であれば、あえて告知しなくてよいかもしれません。
スキルトレーニングをしていくことで、IQが70・80くらいまで上がる余地がある場合など、克服できるようであれば告知しなくてもいい場合が多いです。
告知することで、『障害』という言葉で本人がキズついてしまう可能性があります。今後も生きていく長い人生の上で、自分には障害がある、と思いながら生きていくことを選ばなくてもいいのではないでしょうか。
また、一概に言えませんが、スキルトレーニングをしてIQが上がるのがおよ60くらいまでだったり、問題行動が激しいといった場合、精神面も知能面も幼い子どもくらいである可能性があり、善悪の判断が難しく、やっていいこととやってはいけないことがわからない状態であったり、感情のコントロールが難しいといった場合に、問題を起こしてしまうことにつながることもあるので、告知を視野に入れるようになっていきます。
また、発達障害といってもいろんな程度があり、一人一人持っているものがちがいます。年齢によって出てくるものが変わってくるということもあります
「発達障害だから・ASDだから・ADHDだから、ここを気をつけていこうね」
という言い方をするよりは、一人一人ちがう、日常生活で支障が起きているところを改善することが大切になります。
発達障害の当事者・本人がどうしても周りの人のサポートが必要な状況であったり、本人も周りと比べてなんだかおかしいと気づいている状態のときは、告知してもらって楽になる方もいます。
これまでうまくいかなかったこと、周りの皆と同じようにできなかったことは、発達障害という理由があったからだと分かってホッとされる方もいます。
発達障害の告知といっても、当事者本人への告知もあれば、周囲の人たちへの告知ということも考えなければいけないことがありますね。
発達障害とは何かということを十分理解した上で、本人のために告知するのがいいのか、告知はしないでおくのがいいのか、伝えるとしたら誰から伝えたらいいのか、どのような伝え方がいいのか、十分考えて取り組むことが大切になります。
わからないことは、発達障がい支援センターのカウンセラーなど専門家に相談するとよいですよ。