こんにちは、
発達障がい支援センターの真鍋良得(まなべりょうえ)です。
発達障害がある人は「空気が読めない」「相手の気持ちがわからない」「自分と他人の境界線があいまい」などと言われることがあります。
そのため、相手に嫌な思いをしたり、相手を傷つけたりすることが起こりがちです。
そういった他人とのコミュニケーションを改善するために、ソーシャルスキルトレーニングなどを行いますが、なかなか効果がないという人もいます。
親が子どもに行事作法やマナーをしつけようとしても、発達障害の子どもに理解してもらえず、ついイライラしてしまうという話も聞きます。
それは、実際の知識や技術として学んでも、必要に迫られる場面を体験しなければ、イメージできないから、というのが一つの理由です。
多くの人が、成人するまでに、他人との距離感やコミュニケーションを学びますが、発達障害がある人は、大人になって人間関係で困ることが起きてからそういったことを学んでいくということが多くあります。
発達障害がある子どもに社会性を身に付けさせようとしてうまくいかないからと、あいさつやマナーを無理に押し付けても、思うようにできない子どもは「自分はダメなんだ」と劣等感が大きくなるばかりです。
学校や家庭だけではなく、多様な大人たちが集まる場所を子どもに体験させるという方法もありますが、子どもの頃に社会性が身につかなくても、無理せずに「それでもいいんだ」と温かく見守ってあげることで、子どもは自分の存在に自信を持って成長していくことができます。
いずれ社会性は身に着くし、大人になってからでも相手との距離感や相手を傷つけない言動を学んで行くこともできます。
親が思いやりの気持ちを持って、自分も相手も大切にする生き方をしていれば、子どもも思いやりの気持ちを持つことができます。
子どもの頃に社会性を身に着けることができるならそれが良いのですが、それが十分にできなかったとしても、大人になってから良い人間関係を築くことは十分に可能です。
子どもの将来のことに不安があれば、ぜひカウンセラーに相談してみてください。